散文置き場(短編集)
明ける時までA(漆×佐)






















やられっぱなしが悔しくて

短い髪の頭を押さえつけ
顎を上に向かせ
深く、長くキスをした


遠慮がちな舌に、舌を絡ませ
唇や舌を甘噛みして、強く吸う


呼吸もままならない
無我夢中なキスをした





「ぁ………は、………」



吐息がこぼれる。

薄目で見やれば、
眉毛をひそめ、震える睫毛



やられた分は取り返せただろう。
一人で居た時のもどかしい想いは微塵もない。



ただ、


このままでは終わらない

止まらない




「あ、ンッ………」



壁際に押さえつけ、自由を奪う。



「し、漆黒様………ッ」



呼吸の乱れた声で名を呼ぶ。
返事などしている余裕はない。


服の中に手を入れる。
手が冷たいからなのか?
身体が熱を帯びているのか?

温かく、鍛えられた滑らかな素肌。



「アッ………」



敏感に反応をして、自然にのけぞる無防備な喉元。

その首筋に唇を寄せる。



「し………こく、さ………ま」



手のひらを胸に這わせると、
腕にしがみつき、震えた声を出す。


唇を離せば視線がぶつかる。


赤くなった顔、
潤んだ瞳、
酸素を欲する開いた口元




退けるうちに止めておけば良かったのか………




「ンッ………」



もう一度深く口付ける。

服が邪魔でもどかしい。

両手を中に入れて
片手は背中に回し、身体を寄せる。



「………んッ」



佐助は首に腕を回してきて、積極的に唇を貪る。

反った背筋をなぞり、そのまま尻に手を伸ばした。



「アッ………」



驚きから大きく身体を揺らす。

そこでまた視線が交わる。



「………漆黒様………」



何て熱っぽい声で呼ぶのだろうか。

自分の体温が上がるのが分かった。



互いの肌を重ね、体温を感じたい。

猛った気持ちと下半身。




「ベッド行こう………」




我ながら安っぽい誘い文句に呆れてしまう。

けれど、このストレートな言葉しか思い浮かばなかった。



当然佐助は断らない。
伏せ目がちに小さく頷く。



たった数m先のベッドさえ、
とてつもなく遠く感じる。

そこに辿り着くまでに

服を脱がせ、服を脱ぎ
キスを何度も、何度も交わし


ベッドに倒れ込んだ














12.01.01
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姫はじめシーンはご想像にお任せ!

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