散文置き場(短編集)
少しだけ(W政宗)
※暗い。悲しい現実



















「おい………人が来る……」

「今は2人だけだ…………」

「…………まぁ……な」






人の目を盗み、人の目を気にする男に

少しだけ身を寄せた。




「なぁ……どうした」

「何でもない」




理由を口にしたくなくて、口を閉ざすと

少しだけ不安が増した。




「…………終わったな…………」

「……ん…………」




ぼそりと呟いた背の高い肩口に額をつけたら、
少しだけ心細くなった。




「………連絡先は知ってるんだし、また会えるだろう?」

「…………」




間違ってはいないが、本質から外れた言葉に
少しだけ心が傷ついた。




「お前は頑張れよ…………」

「あ……ぁ………」




あやすような優しい声色に、
少しだけ胸が熱くなった。





「……一緒に残れなくて……悪かった」

「──────ッ」





『伊達政宗』という魂の片割れを無くし、

肩を抱き寄せられて、

嗚咽を押し殺しながら、


たくさん、たくさん、


俺は、泣いた───────















××××××××××××××××××××

第一期、漆黒の政宗様
お疲れ様でした。

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