羞恥A



















香水なのか?




ふわりと漂う香りを、制汗剤のCMのようにもっと嗅ぎたいと思ってしまった。




フェロモンなのか?




近くにいるというだけで、
胸が高まり、背筋がゾクゾクする。




淫猥だろうか?




初めて会った男とセックスがしたいと思ってしまうなんて………






「ホテル行こっか…………?」



肩を抱かれ、吐息が掛かる近い距離。
そして、ストレートな誘い文句

顔が、カラダが熱くなり一つの波紋が広がった。



「どうする?」



身体を許すのは、恋人と呼ぶには違和感を抱いてしまう世話人のみ。

もっと回数を重ねたいのに気遣われてばかりで満たされることはない。


そんな熱を帯びた若いカラダは正直だ。




他のオトコを知りたい
もっとイキたい
性に耽りたい
この誘惑に頭がクラクラする…………




「気持ち良くしてあげるよ」

「………ぅ………ん………」

「決まり………じゃあさ」

「ッ」



男は尻を撫で、耳元で囁く。



「コンドーム買っておいで」

「えっ!」

「さすがにこんな男とナマでヤルのは怖いでしょ?」

「……………」



興味の裏側には確かに、素性の知らない相手が
見た目で判断すれば、不特定多数の人物と性行為をしていそうなのでの警戒心はある。



「それに………」

「ぁ…………」



耳に吐息がかかり、ゾクゾクと期待が膨らむ。



「途中で抜かれるより中で出された方が気持ちいいでしょ?」

「そ、れは…………」



否定出来ないのは事実。



「極薄でもイボ付きでもゼリーたっぷりでも、好きなの選んでおいで」

「…………ッ」

「ほら………恥ずかしいのはレジだけで、後はスゴくイイんだよ?」



背中を押されてにっこりと微笑まれてしまった。


年頃の男がコンドームを買うこと事態はおかしなことではないが、
それを自分ではなく相手に付けさせるため、ということに抵抗を感じた。

もちろん、客観的にはそんなことは分からないのだが、自意識過剰なまでに意識してしまった。



ちらりと振り返ると、男は棚にあるサプリメントを楽しそうに眺めていた。



頭の中をぐるぐる回る言葉

『スゴイの欲しくない?』


スゴイのは

性器?
テクニック?
持久力?

意味を考えるだけでカラダが欲してしまい、自然と呼吸が乱れてしまう。



(はぁ………どれにしよ………)



小箱がいくつも陳列された棚の前で物色する。

何を選ぶかで自分を測られるような感じがしてしまう。


考え過ぎたと分かっていても考える。

どれならより満たされるのだろうか………





「まだ?」

「ッ───………ま、だ」



真剣に選んでいたので、背後から声を掛けられて心臓が止まるかと思うくらいに驚いたが



「早く………キミの中に入れたいんだけど?」

「ッ─────」




熱っぽい誘いに、耳に心臓があるのではないかと思うくらいにバクバクとうるさく鼓動した。



「ね?」

「……………」



ふわりと香りを残して立ち去る背中に決心し、

一箱を選び取り、レジへと向かった。



「ありがとうございましたー」



丁度男がレジを終えたところで、
振り向きざま、僅かに口角を上げた。



「ッ…………」



その流し目がいやらしく見えてしまい、自分がどれだけ欲情しているのかを思い知り、また顔がカァっと熱くなる。




「ポイントカードはありますか?」

「えっ、いや、ないです」

「お作りしますか?」

「い、いいですッ」



恥ずかしさのあまり動揺して、不審極まりなかっただろう。
顔を伏せたまま、震える手で代金を支払いレジを済ませた。


そして、

渡された紙袋を握り店の外に出ると男がにっこりと微笑み立っていた。



「ちゃんと買えたね」

「………ん…………」

「泣きそうな顔してるけど大丈夫?」

「ん…………」



恥ずかしくて男と向き合うことが出来ずに俯いた。



「泣くのはこれからだよ………」

「ッ!」



耳元に顔を寄せてぽそりと呟く。



「ほら………行こう?」




営業マンのように人当たりの良い笑顔を見せたかと思うと、

艶めかしい男の笑みを浮かべたり、

ふざけたように陽気に話すかと思えば、

前戯の1つのように甘く囁く


どんどん興味が湧いてくる。

この男と早くセックスがしたい。

熱を帯びた疼くカラダを、


早く満たしたい
















×××××××××××××××

羞恥祭第2弾

辱め行為はまだ続く

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!