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失言注意(小+佐)






















「片倉さぁ〜ん」

「何だ猿飛」

「育毛剤って持ってる?」

「は………?」



唐突にやってきたオレンジ頭は、
突発過ぎることを口にする。



「そんな派手な色に染めてるから抜けるんだぞ」

「違う違う、頭じゃないの」

「は?」



全くもって理解出来ない。



「実はさぁ、昨日伊達ちゃんに下の毛剃られちゃってさ」

「政宗様に?」

「そうそう、だから今ツルツルで、恥ずかしくて人前でパンツ脱げなくなっちゃったよ」



もぉ、と膨れる佐助に目眩がする。



「ちょっと待て………猿飛」

「何?」

「どこから問い詰めたらいいんだ………」



小十郎は額を押さえて溜め息をつく。



「まず………政宗様は何でそんなことを?」

「伊達ちゃんって下の毛薄いよね、って言ったら『どうせ俺は中坊並だよ』ってキレてさぁ」

「そうか………」

「そんなこと言ってないのに、ヒドイよねー」



小十郎は息を大きく吸い込む。



「あと………何で、育毛剤が欲しくて俺んとこへ来た?」

「いやぁ〜………何となく、片倉さんなら、と思って………」

「今………生え際を見ただろう?」

「えっ!」



ちらっと視線が動いたのを見逃さなかった。



「とりあえず、指置いていけ」

「えぇー!!」

「切るもんくらい貸してやる」

「ちょ、何で!?何!?」



小十郎は佐助に包丁を差し出す。



「まずは、政宗様を侮辱したこと………」

「してないって!」

「人前で下着を脱ぐってことは、浮気だろう?」

「いやいやいやいや!」

「不本意ながら政宗様との付き合いを認めてやってるってのによぉ………」



ふぅ、と息を深く吐き出す。



「そして………俺はまだ薄毛じゃねぇッ!!」

「一番の沸点ってソコ!?」

「うるせぇ………指じゃ足りねぇな、腹切れよ腹!」

「いやいやいやいや!」

「介錯はしてやるよ」

「そういう問題じゃなくて!」

「黙って逝きな」

「ッ──────!!」





小十郎が包丁を持ち替えたので、
佐助は声にならない悲鳴を上げた。


男に『薄い』は禁句である。

















11.12.13
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陰毛の濃い・薄いトークから思い付いたネタ。

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あきゅろす。
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