Ss
Control(小×政+佐)




















「明日は10時より経営会議ですので、7時半には起床でお願いします政宗様」

「あぁ」

「それでは、これで失礼します」




ホテルの一室にて、明日のスケジュール確認をして部屋を立ち去ろうとした。



「待て、小十郎」

「はい?────ッ」



ソファに座る政宗にネクタイを引っ張られた。



「俺をこのまま寝かす気か?」



近い距離で見上げる瞳は、何を求めているか一目瞭然だ。



「しかし、」



小十郎は拒む。

少しだけ動いた視線の方向には、もう一人の存在。




「外にいるので終わったら声を掛けて下さい」



邪魔になると察知し、一礼をして部屋を出ようとする。



「待てよ、護衛が俺から離れて意味あるのか?」

「政宗様ッ!?」

「そういうことだ」

「はぁ…………悪趣味ですよ…………少しは辛抱されてはどうかと」

「俺が誘っているのに恥かかすのか?」

「…………」




クスクスと意地悪そうに笑う。
拒否権などない絶対服従。







ソファからベッドへ移り、始まる蜜事。





「あ、ンッ」




人目があるから、
わざとなのか
逆に興奮するのか



「こ、十郎…………もっとッ!」



いつも以上に艶やかに深く求める。

それ故に求められる側も平常でいられるわけがない。


激しく、濃厚に身体を重ね

掠れる程の喘ぎ声

震える内腿

背中に残る爪跡────














「政宗様…………湯が間もなく溜まりますから」

「あぁ…………」



気怠い体を起こす。



「肩を貸しますよ」

「無茶しやがって」

「煽ったのは貴方でしょう」

「チッ…………もういい、お前帰れ」

「しかし」

「風呂で溺れる程ヤワじゃねぇよ」



一旦決めたら二度と意見は覆さない。
長い付き合いから分かっている。



「それでは失礼します」

「あぁ…………」



白い素肌が湯船に沈んでいくのを見届けて小十郎はバスルームのドアを閉める。



「様子を見ていてくれ」

「はい」

「…………変な気は起こすなよ、猿飛」

「どんな気?」

「…………何でもない」



ドア前に立つSPに声を掛けて部屋を出て行く。



「アイツ…………顔色1つ変えずに見ていやがったな」



不安は拭えなかったが、何が出来るわけでもないため、
まだ身体に残る感触と香りを感じながら、その場を立ち去った。





チャポ────




「おい、いるのか?」

「はい」



声の届く場所にいることを確認してから顔を洗って、髪を掻き上げる。



「お前って、インポなのか?」

「は?」

「ずっと見てたけど、勃起すらしなかったろ?」



バスルームのドア越しに話し掛ける。



「訓練の賜物なのか、ただの不能か」

「…………男同士のセックス見てどうしろって言うんですか」




湯気の立ち込める天井を見上げて、一度目を閉じた。




「ふぅ…………ん」





ガチャ────




「俺ごときじゃ勃ちもしねぇって?」



少しだけドアを開けて、脱衣所に立つ佐助に問い掛ける。



「脱げよ…………試してやる」

「理由の意味が分からない…………うわっ!?」

「これなら脱ぐ理由になるだろう?」



シャワーを向けられ、頭から床まで濡らすことになった。



「脱げよ」



シャワーヘッドを湯船に投げ捨て、
水の滴る裸体で佐助に近寄り、挑発する。



「幸い、まだ後ろは解れたままだ…………前戯なしでもすんなり入るぜ?」

「着替えてきます」

「待てよ」



政宗は佐助の腕を掴む。



「風邪を引かないうちに服を着て下さい」

「…………ッ!」



腕を払われたと同時に乾いた音が響く。



「出てけ」



佐助の頬を平手打ちし、そのままバスローブを掴み部屋へと戻って行く。



「…………ちょっと交代…………出来る?」



じんじんと痛む頬を擦りながら、トランシーバーで会話をした。




「代わりの者を呼びましたので…………髪は乾かして下さいね」



グラスに水を注ぐ後ろ姿だったが、間違いなく腹を立てているので返事はない。



「失礼します」



例え見ていないとしても一礼をして部屋を出る。






「…………はぁぁぁ…………」





要人の警護をしている限り、緊張を解くわけにはいかないのだが、
佐助は体の力を抜くようにズルズルとドア前に蹲った。



「…………イテェ…………ッ!金的ガードしてるから、勃起なんて外から見て分かるわけないっての!」



プロテクター越しに、硬く膨らんだ股間を抑える。



「くっそ…………ッ!あんなん見て平静を保った俺様ってば、さすがだよね」



煽られ、誘われ、罵られ

自分自身を嘲笑う。




「佐助?」

「ぁ…………かすが」

「何だ?お前、ずぶ濡れで」

「あぁ〜…………気分屋さんでとばっちり」



怪訝な顔で、一応心配をしてくれている。



「なぁ、かすが…………」

「何だ?」



佐助は力無く立ち上がる。



「おっぱい揉ませて」

「もう一度水でも被って目を覚ましたらどうだ?」



呆れ、相手にされず、佐助の出てきた部屋へと入っていった。



「…………覚めたいよ…………」




濡れた髪を掻き上げながら大きく溜め息を漏らす。



仕事中に仕事を忘れそうになるほど

男に、欲情した────

















11.09.06
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要人の政宗、秘書の小十郎
SP佐助。
越えない一線。

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