Ss
自己採点(小×佐)




















『採点中につき、入室を禁ず』



生物準備室の扉に大きな貼り紙。

先日行われたテストの採点中であると一目瞭然。
普通の生徒なら用があっても諦めて去るだろう。




「何これ…………こんなの鳥除けにもならないよ」



くすりと笑い、前髪を留めるヘアピンを外したこの生徒以外なら…………












カチャカチャ







「ぁ?」




外からは、テスト明けではしゃぐ生徒達の声が響いているが、
この準備室のある理科棟は人気も少なく静かであるため、聞き慣れない音に意識を奪われた。




カチャカチャ…………



「何だ…………」



採点をしていた手を止めて辺りを見渡す。



カチャ、カチャ



「…………まさか、な」



物音は廊下から聞こえるようだ。
そして、嫌な仮説が頭を過った。



カチャン────





「かったくらせんせぇ〜♪」

「やっぱりテメェか!猿飛ッ」



鍵の掛かっている準備室に勢いよく侵入してきたのは3年生の猿飛佐助。



「やっとテスト終わったし、会いたかったよ♪片倉先生」

「…………はぁ…………」



ピッキングをやってのけた満面の笑みに、怒りすら通り越して目の前が暗くなるような気がした。



「先生?」

「…………いいか、よく聞け」

「うん」

「入り口に書いてあった通り、入ってくるんじゃねぇ!見ての通り、俺は採点で忙しいんだよ!さっさと帰れッ」

「ちょっとだけ!邪魔はしないからちょっとだけ一緒にいさせてッ」

「…………」





甘いだろう。


両手を合わせて必死に懇願されては、そう邪険にも出来ず、折れてしまう。



「…………人の点数覗くなよ」

「うんうん!大丈夫、俺様先生しか見てないから」

「馬鹿かっ」



にこにこと、椅子を隣りに持ってきて大人しく座った。




じっと見つめられて、気が散るような
静かだから集中出来るような…………




「先生…………」

「何だ」



答案に意識は向いたまま、
採点のペンを走らせたまま返事をする。



「ちょっとだけ右手貸して?」

「は?」

「いいでしょ?少し淋しいんだよ?ね?」

「…………」



甘いだろう。


利き手が自由なら問題ないか、と思ってしまった。



「ほらよ」

「わぁ…………ッ!片倉先生優しいな」

「邪魔はすんなよ」

「うん」



そっと手を握り、喜ぶ顔は初々しい。
この程度なら…………と許してしまった。






「…………」



片手での作業もそう苦にはならず、採点を進める。






ちゅぅ────




「ッ!?お、おい!!」



不意に、指先に生温かさを感じて慌てると

とろんとした表情で、指を舐めているではないか。




「おい!猿飛」

「せんせ…………俺、これ以上我慢出来ないよ」



熱い吐息



「テスト中はオナニーだって我慢したんだよ?だから…………」

「おいっ!」



ファスナーを下ろしたそこへ右手が誘導される。



「ほら…………もう先っぽヌルヌルだよ」

「猿飛ッ」

「せんせぇ…………」



誇張したソレ



「先生の指、後ろに入れていい?」



乱れた呼吸で、強請ってくる。



「ホントは先生のが欲しいけど、それじゃ採点出来なくなっちゃうから…………」




熱に浮かされた眼で見上げ、

これ以上ない誘惑をする。





「先生…………お願い…………」





鍵は開いているが、貼り紙はしたままだ。

誰か入ってくることはないと信じたい。





「せ、ん…………せ────」





甘い

甘い

甘いだろう。




採点するなら100点満点中9点だ。


学校で、職務を忘れ、性を貪る。




けれど、佐助は10点満点中の採点だ。
マイナス評価は、不法侵入。



甘いだろう?












11.09.01
××××××××××××××××××

突発的な小十佐。
18禁部分はカット(笑)
ホントは、後ろからガツンガツンなの。


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