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恵方巻き(親+佐)
「お前、恵方巻き「いらない」
「まだ何も言ってねぇ」
「チカちゃんが自分から話し掛けてくるなんてロクでもないことだから聞きたくない」
「何だよ佐助………随分とつれねぇ態度だな」
昼休み、3つ隣りのクラスからやってきた元親を佐助は少しも見ようとしなかった。
「俺、次の授業で当たるから予習しよーっと」
「おい、聞けよ」
無視をしようと広げた教科書の上に手を置かれた。
「何…………」
「だから、お前って恵方巻き喰うだろ?」
「あぁー!何かやっぱ聞きたくない!チカちゃんが半笑いだもん!」
「はぁ?てめぇはさっきから何なんだよ」
「どうせ、『俺の太巻き食べろ』とか言うんでしょ!」
「……………てめぇ………んなオヤジ臭ぇこと考えてんのかよ」
「────ッ」
呆れたような表情を見て、かぁっと赤くなる。
「あぁそうか………俺のをしゃぶりてぇってことかよ?」
「そんなわけないじゃん!冗談じゃないよ!」
「お前って好き者だよなぁ」
「だから違うってば!」
ニヤニヤ笑う元親に佐助はムキになる。
「放課後喰わせてやるから今は我慢しろって」
「いらないッ!あんなの突っ込まれたら顎ガクガクになるじゃん!それに今日は早く帰る!」
「何だ?」
「節分だから準備しなきゃいけないじゃん………」
溜め息をついた佐助にピンときた。
「あぁ、幸村か」
「そう………旦那ってばはしゃいでてさぁ………」
「幸村のなら楽そうだな」
「は?」
頭を抱えた佐助は元親の顔を見上げる。
「アイツのって小さそうだし早漏っぽいしな」
「はぁぁあ!?全っ然違うよ!旦那はね────」
佐助は口を抑えて我に返った。
「へぇぇ………アイツってデカイんか………」
「ち、違う、っていうか、旦那は、」
「某が何だ?」
「だだだ旦那!?」
突然話題の人物が登場してきて佐助は更にパニくった。
「おぉ、今よぉ………「旦那ッ!何の用!?」
「お前は黙ってろ」
「─────ッ」
元親の言葉を遮った佐助は幸村に制される。
「クククッ………お前って見かけによらねぇんだな」
「え…………?」
「コイツが太いの好きって言うからよ」
「言ってない!」
「欲しいってツラしてやがるぜ?」
「してないっ!!」
「ははは」
からかう元親
全力で否定する佐助
穏やかに笑う幸村
「元親殿、本日はうちで恵方巻きを食べませぬか?」
「あぁ?」
「佐助が作るのですが、お返しをしようと思っているのですよ」
「だ、旦那!それって」
「はぁん………いいぜ乗ってやる」
「チカちゃん!」
「フフフ………良かったな佐助」
「良いわけないでしょー!!」
「上も下も口いっぱいに太巻き喰わせてやるよ」
「いりません!!」
黒い笑い方をする元親と幸村。
佐助は青ざめるしかなかった。
おまけ
「結局、チカちゃんは何が聞きたかったのさ」
「あぁ?………お前って恵方巻きの具は何入れるか聞こうと思ったんだよ」
「そんな、こと…………ッ!!」
素直に話を聞いておけばと後悔しても後の祭り。
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やっつけ節分話。
鬼畜親佐シリーズ不発バージョン(苦笑)
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