雨音と行方 9.5※R指定
※裏要素ありなので閲覧注意。
読まなくても続きに影響なし。
床の冷たさは微塵も感じられない。
唇を貪り、汗ばんでいく互いの身体をただ求め合った。
長年の飢えを………
隙間を………
身体全体で………
五感の全てで………
満たしていった─────
「は………ぁ………佐助さ………ん」
乳首を舌で転がされ、性器を扱かれて、
政宗は吐息混じりの声で佐助の名を呼んだ。
「ん〜?………お前、歳とったら感度良くなったんじゃないか?」
「ッ…………」
「どこ触っても感じてるしさ………もうこんなに濡れてるしね?」
佐助は、ぬるぬるした先走りで政宗の亀頭を指先で撫で回した。
「だっ…………て………俺………してないから………」
「嘘?………あの淫乱な政宗が?誰とも?」
佐助はニヤニヤと笑いながら尖った乳首を舌先でつついた。
「知ってるくせに………ッ!!」
政宗は顔を腕で隠したが、赤くなり悔しそうだった。
「そうだな………突き止めてからのこの二年間、誰とも付き合ってなかったしなぁ」
「…………だって………俺は………佐助さんが………」
「そうか…………」
一途に操を立てていた政宗に、佐助は胸がきゅんとしてしまい口元が緩んだ。
「口開けな………」
「ぁ………ん………」
政宗はうっとりとした表情で佐助の指を舐めた。
「大人の色気ってやつか?30過ぎたら淫らだな………」
「ン………佐助さんは、以前にも増して余裕なのがムカつく………」
「言うなぁ〜………でもさ、凄いそそるよ………」
佐助は政宗の口から指を抜き、股の間へと持っていった。
「─────待っ………」
「どうした………」
佐助の肩を押して、政宗は身を硬直させた。
「待って…………怖い………ッ」
「……………」
一度身体を繋いでしまったら………
「もう…………戻れなくなる………」
「………戻るんじゃなくて進むんだ…………お前は俺と共に生きろ」
「……………」
政宗は目を固く閉じた。
二度と失いたくない恐怖から、受け入れることを拒絶しているが、
目の前に差し出された手を拒める程に強くはなかった。
また失うことを恐れていても、それ以上に縋りたい想いは強いのだ。
「佐助さん…………」
「政宗…………」
目を開けると穏やかな笑みを浮かべた佐助。
欲しい………
「ンッ……………」
政宗は佐助の首に腕を回し、唇を重ねた。
二度と失いたくないという2つの想いが今、同じ方向を指したのだ…………
──────
「アッ……………アァッ!」
政宗は佐助にしがみついて、我慢など出来ずに喘ぎ声をあげた。
「政宗…………ここだろ?」
「ん、アッ!佐助さんッ」
佐助は腰を奥へと突き上げながら政宗の前立腺を刺激した。
「佐助さんッ…………アッ、アァッ!」
心身共に満たされていく快感に政宗は酔いしれた。
「政宗………」
「ぁ………佐助さんッ…………やだ!イク!」
「いいよ…………」
「ん………んッ!」
政宗は大きく身震いをして、長年求め続けていた絶頂を迎えた。
「ん………そんな締めるなよ………歳とって遅漏になったっていうのにさぁ〜」
「ハァ………佐助さんも………中に……」
「馬鹿野郎…………ホントに出ちゃうぞ?」
「うん………」
呼吸を乱しながら涙目で催促されては、佐助は堪えられるわけがない。
「ンッ………」
唇を重ね、舌を絡ませながら、互いの髪を梳く。
渇きを潤すように、
互いを貪り、情事に耽る。
もう雨の音は聞こえない………
心の雨は上がった───────
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