捧げ物
捧げもの(R18)☆歩様
戦国・家康×政宗



















幼き頃見たあの光景


少年の心に、大きく刻まれた









「信玄公ー!信玄公ー!」




甲斐の館で走り回るは、家康。

信玄を訪ねて自室へと向かう。



「あ…………ぇ………?」



信玄の部屋の障子が開き、表情がぱぁっと明るくなったが

出てきた人物は予想もしなかった。



「虎のおっさんは湯浴みに行ってて、ここにはいねぇぞ」

「ま………政宗公………」



帯もしていない、着物を羽織っただけの格好。

そして、胸元やすらりとした脚が露になり
雪のように白い肌がほんのり薄紅色に染まって見えた。

髪は乱れ、気怠そうに………
しかし艶かしく、伏せ目がちの瞳に家康は映っているのだろうか


すれ違うように部屋を出て行く政宗に
声を掛けられなかったのは

鼻孔から全身を駆け巡る僅かな香りを感じたから………


部屋の中には、
まだ陽も高いというのに敷かれた布団。


その時見た光景は、


忘れることなど出来なかった──────













「政宗公………儂はあの頃、まだ幼く意味が分からなかった」



瞳を閉じて遠い記憶を辿っていく。



「しかし、儂は忘れることが出来ず………そして、眠れない夜を何度も過ごした」

「それで?………思い出話を語るためにわざわざ奥州まで来たんじゃねぇだろ?」



上座に座る政宗はにやりと笑う。



「あぁ………どうか、儂に………貴殿を………抱かせてはくれないだろうか」

「………やるからには俺を満足させてみろよ?」

「最善は尽くす」



くつくつと喉の奥で笑う政宗に、家康は近寄る。


戦場で逢うことがほとんどだったので、
このような無防備な格好の政宗と対峙が出来ようとは………


恐る恐る髪に触れる。
硬い鷲色の毛先がさらりと流れる。


ゴクリ──────


生唾を飲み込む音は聞こえてしまっただろう。
政宗はすっと瞳を閉じる。



「美しい………」



家康は感嘆の溜め息をこぼし、
血色がいいとは言えない薄い唇を吸った。

柔らかく、甘く、脳が痺れた。



「あぁ………夢に見た以上だ………」



何度も口を吸い、着物の合わせ目から手を差し入れ、素肌に触れる。

しっとりと、滑らか

身体をゆっくりと倒し、
耳を、首筋を、肩、そして胸元へ

唇を寄せて肌を露にする。



「んッ………」



甘い吐息が漏れ、背筋がぞくりと震える。



「政宗公………どうか、儂を………儂を見て下され」



されるがままの政宗だったが、その左目は閉ざされたままだ。



「儂を、目に映して下され………」


覆い被さる家康の懇願に、ゆっくり瞳を開ける。



「餓鬼だったお前に………戸惑いはあるんだ、察しろよ」

「政宗公………ッ」

「アッ!」

「後悔はさせない、だから儂を男として見てくれ」



本音を告げた政宗のいじらしさに、家康は猛り、政宗の足をガバッと開かせた。



「ゆるりと愛撫をしようと思っていたがやめだ」

「ッ…………」



ようやく瞳に映った家康は
幼さなどどこにも残っていない
真剣な男の顔をしていた。

下帯を解かれ、曝される下腹部。



「同じ男だというのに、何故こうも貴殿は儂の心を乱すのだろうか」



着物の帯は解かれていなくても、ほぼ裸体の姿を見つめて呟く。

白く華奢だとしても同じ男の身体。

しかし、胸元の薄紅色の突起
濃くはない陰毛
そして、やや充血している陰部。


何をもってしても家康の心はざわついた。



「美しい………」



指を咥え、たっぷりと唾液をつける。



「………痛ッ!?おま、いきなり二本かよ………ッ!」



ぐっと秘部に押し入ってきた圧迫感に息が詰まる。



「ゆるりとした愛撫はやめだと言ったではないか」

「だからって、アッ!!」



ぐるりと指が回り、更なる奥へ差し込まれて身体が跳ねる。



「とてもきついが温かくて気持ちがいいな」

「俺は、良くねぇよッ」



息も絶え絶えで舌打ちをする。



「必ず善くする」

「や、め………あぁ!」



声をあげさせたいのだろうか。
わざと強引な動作を取る。



「あ、アッ………んんっ」



中心を貫く二本の指が内壁を擦り
入り口の筋肉を弛ませ
奥への侵入を許した。



「あぁ………凄いな………」



乱暴にされながらも感じているのだろう。

指の動きに合わせて音を立てる秘部
口からは喘ぎ声が漏れ
白い肌は桃色へと変わる。
猛る男根に家康は笑みがこぼれる。



「よし………参るぞ、政宗公よ」

「ハァ、いいぜ………来な」



例え涙目であっても、竜の気質は損なわない。


家康は政宗の片足を担ぐような体制を取る。
最初から深くねじ込む気なのは明らかで、
政宗はぎゅうっと左目を閉じて衝撃を受ける覚悟を決めた。



「いざ」

「ッ──────」




最早悲鳴にすらならなかった。

家康の猛々しく硬くなったものは
一気に半分まで政宗の中へと差し込まれた。

潤滑不足で一度引き、更に奥へと力が込められる。



「う、あぁぁあ!!」



二度目の挿入では叫び声を上げた。
痛みと苦しさで政宗は家康の腕に爪を立てる。



「いッ………あ、アァッ!!」

「く………ッ」



根本までねじ込んだところで、家康が大きく身体を震わせた。


結合部分が脈打つ。

痛みによるもの、それに………




「ハァ………ハァ………堪えられんので一度果てさせてもらったぞ」

「ハァ、俺を………殺す気かよ………」

「儂は今、極楽浄土を見ているぞ」



うっとりと、溜め息をつく。



「よし、続けようか」

「おま、もうかよ!?」



抜かぬまま硬度を戻した家康はゆっくりと腰を動かす。



「儂のでぬるぬるになったな………これなら痛みも和らぐか?」

「まだ痛くて力も入らねぇよ」

「はは!それは丁度いい、抵抗されては困るからな」

「アッ!待てッ」

「儂の積年の想い、しかと受け止めてくれ!」










──────………

意識を失ったのはどのくらいだろうか。


投げ出された白い四肢。
指一本すら動かせない気怠さ。


感覚が麻痺している下半身。


ゆっくり瞳を開けると、見慣れた天井が見えた。

覚醒しきれていない視界と頭で周囲を見渡す。


好き勝手やってくれた男は腕を組み、柱に寄り掛かりながら庭を眺めていた。



「起きたか、政宗公」

「………………」



気配で気づいて声を掛けたが、
視線は庭を眺めたままだった。



「心が、とても穏やかだ………」

「………………」

「同じ庭が違って見えるように美しく感じる」



政宗は自分の身体とは思えないほど重い身体を起こす。



「ありがとう、政宗公………幼きあの日から止まったままだった気持ちが晴れたようだ」

「あぁ、そうかよ………」



力の入らない足で踏ん張り、立ち上がる。




「だがな………家康」



ギシッ──────



「竜の味は格別だろう?」



政宗も庭を見つめたまま家康の横に立つ。



「クセになるなよ」

「ッ──────」




意地悪くニィッと笑う竜。

挑発するような瞳。

羽織られただけの着物から覗く肌。

気怠い動作。


先程まで貪って満たされたはずの心を掻き乱す色香。




「俺はもう戻らねぇから勝手に帰れよ」

「………………」




あの日と同じように見送った後ろ姿。
あの日抱いたく




「ははは………流石は独眼竜」




成長したと自負していたが、
その自信すら打ち消していった。

















11.11.28
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歩さんに捧ぐ家政。
腐女子会で盛り上がった
『家康最強総攻め伝説』はいつの話だ?

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