進め!巨人殺し
仕方ないだろう(ジャン受)
※『年頃なので』続き4話目







「ん・・・・?」
ジャンは起床を報せる鐘の音で目が覚めた。
けれど、寝ていたベッドは使い慣れた物ではない。

「痛ッ・・・・・ぁ・・・」
起き上がると僅かな痛みがして頭に手をやると、巻かれた包帯に触れて昨夜のことを思い出す。

(昨日、エレンと・・・・)

自慰をする時、普通は出さないという声を聞かれていたことに恥ずかしくて逃げ出した。
追ってきたエレンがおかしなことを言ったので動転して木に衝突した。
そして、エレンと・・・・

ジャンは指先で唇に触れた。
初めてのキスを男のエレンに奪われて不愉快なのに、想像以上に唇が柔らかくて気持ちの良いものだと知り、怒るに怒れない。
何より舌の感触が快感に直結でとても興奮した。

「やべ・・・」
思い出して体温が上がってきたが、もう時間がないことにハッとして救護室を出ようとした。

「うわッ!!」
「ッ!!!」
ドアを開けるとそこにいたのはエレン。
ジャンは一気に顔が熱くなった。

「あ、おいッ!お前大丈夫かよ!?」
ジャンは真っ赤になった顔を見られたくなくて小走りでその場から逃げ出したが、当然エレンは追ってくる。

「おい、ジャンッ!!」
「は、なせッ!!」
エレンはジャンの腕を掴んで引き留めるので、ジャンは顔を見られないように必死で腕を払おうとした。

「そんな態度取られたらこっちまで意識しちゃうだろッ!!」
「ッ・・・・!!」
エレンの大声にジャンはビクリと身体を揺らし、視線を合わせてしまった。
大きい眼を真っ直ぐに向けるエレンもまた赤くなっていた。

「〜〜〜〜ッ」
「そ・・んな、顔・・・・するなよ」
ジャンは泣きたくなるほど恥ずかしくなったが、先に目を逸らしたのはエレンだった。

「意識されたら、俺も恥ずかしくなるだろ」
「べ、別に意識なんかッ」
「男なら定期的に出さなきゃなんないのを2人で同時にしただけなんだから、別におかしくないから・・・・」
エレンは口ごもる。

「何か、すげー良かったし・・・・またしようぜ?」
「ッ!!」
「なぁ、お前も良かっただろ?」
「離せって!!」
否とは言わせない勢いで迫って肩を掴むエレンに逃げ腰になってしまう。

「どうなんだよ?ジャン」
「まぁ・・・・悪くは、なかった・・・」
押し負けてしまったが、良いと素直に言わないのはプライドだ。

「おかしいことじゃないから、またしような」
「・・・・・──────ッ!!」
おかしくないならまぁいいか、と内心ソワソワしてしまったジャンだったが、ハッとする。

「っつーか、何でキスなんかしたんだよ!!アレはさすがにおかしいだろうが!!」
「あぁ〜・・・・あれは・・・・」
エレンも目が泳いだので、やっちまった感があるのだろう。

「あれは、何か・・・・急にしたくなって、つい」
「つい、だぁ!?」
ジャンは何となくでファーストキスを奪われたことにムカムカしてきた。

「たまんなくなった、っていうか・・・・でも、お前キスしたらすげー硬くなったの知ってるか?」
「知るかぁッ!!!」
ジャンにはこれ以上耐えられない羞恥プレイだった。

「お前、今日俺と距離取れよ!後付け回したらもうお前とは何もしないからなッ!!」
「お・・・ぉ」
「あと、これ、ありがとよッ」
「あ、手当ては・・・・」
ジャンは涙目でエレンに言い捨て、足早にその場を離れていった。

「俺じゃない・・・・けど、何だよ・・・・あの顔・・・・次も期待しちゃうだろ」
エレンは赤くなってしまった頬を撫でた。





(クソッ!!アイツの前で、俺は昨日ッ)
ジャンは恥ずかしさが積もって俯いたまま歩いていたので、前方の人物の存在に気付かなかった。

「うぁッ!?」
「下向いてあぶねぇぞ、ジャン」
ぶつかり、抱き止められて顔を上げると

「ライナー」
「起こしに行こうと思ったんだが、泣いてるのか?」
「な、泣いてねぇよ!」
ジャンはぷいっと横を向いた。
昨日の事でも思い出して自己嫌悪に陥っていたのか?と予想をして、ライナーは背筋がざわついた。

「傷は大丈夫か?」
「あぁ・・・平気」
「無理すんなよ」
「ん・・・・」
ライナーの優しさにジャンの気持ちは落ち着いていったが、エレンの言葉が脳内に甦る。

『おかしいことじゃない』

ジャンの鼓動は速くなる。
冷静に思い返すと、
エレンにしてもらったのは勿論良かった。
キスをされてとても興奮した。
けれど、どこか雑だったような気がしている。
ライナーは大きい手で包み、ジャンの反応を確認しながら刺激を強める箇所を変えていたはずだ。

(おかしくないのなら・・・・)
ジャンはゴクリと生唾を飲み込んだ。

「なぁ、ライナー・・・・」
「何だ・・・?」
上目遣いで赤くなるジャンにライナーはギクリとした。
これは、後に退けなくなると本能が察したのだ。

「あのさ・・・・今度、また・・・・」
「おはよう、ジャン」
「ッ!!」
2人の熱っぽい雰囲気を打ち消したのはベルトルトだった。

「ジャン、傷はどう?大丈夫?」
「あ、ぁ・・・問題なさそうだ」
「それは安心だね」
ベルトルトはにこやかにジャンを見つめた。

「早く食堂に行かないとサシャにパン食べられちゃうよ」
「そうだな」
「あの芋女ならやりかねない」
3人は言葉数少なく食堂へ向かった。



「ジャンおはよう、頭は大丈夫?」
「俺はいつだってまともだ」
「ははっ、確かに言い方がおかしかったね」
食堂でジャンの姿見つけたマルコが隣りに座った。

「見えないところで喧嘩されて怪我されると心配だから、今度は皆の前でやってくれよ」
「そこは喧嘩自体するなって止めろよな」
「止めて聞くような奴等じゃないだろ」
「ホントだよね」
マルコとライナーに好き勝手言われたが、確かにエレンと喧嘩仲なのは変わらないだろう。

そのエレンを目で探すと、ジャンから離れた所に座っているのが見え、ちゃんと言ったことを守っていることが伺えた。

(そんなに、俺としたいのかよッ)
つまりはそういうことなのだと思うとジャンは恥ずかしくなる。
そんな自分はライナーにしてもらいたいと思っている。

(おかしくないんだったら、他の奴がどんな風にオナニーすんのか知りてぇな・・・・)
ジャンは前に座るベルトルトの手を眺めた。

(指長いな・・・・下から上にゆっくり触られたら気持ち良さそう・・・・)
ジャンは熱い吐息が自然に漏れた。


「────いッ!おい、ジャンッ」
「え?え??」
ぽわーっとしていたジャンはライナーに呼ばれていたのに反応が遅れた。

「ボロボロ零してるぞ」
「あ、悪い」
「ったく、子供かよ」
ライナーは、ジャンがベルトルトに意識を奪われていることに気がついたので口調がキツくなった。

「そういうライナーはお母さんだね」
「あのなぁ、マルコ」
「こんなゴツイ母ちゃんだったら怖ぇよ」
「ははは」
マルコの発言にジャンは理性を取り戻し、ライナーも気持ちを落ち着けた。



「ねぇ、ジャン」
「あ?」
食事を終え、食器を片付けようと席を立つとベルトルトが呼び止めた。

「さっき僕のこと見てたよね?」
「ッ・・・・!!」
「もし、興味があるのなら・・・・今日の夜部屋を抜け出そうか?」
「ッ!!??」
ぼそりと耳元に囁かれ、ジャンは赤くなって大きく身震いをした。
ベルトルトはクスっと笑いながらジャンを追い抜かし、ライナーの斜め後ろに並んだ。

「う、ぁ・・・・」
ゾクゾクとする身体と高まる欲求を1日押さえ込められる自信はジャンにはなかった。
そして、
ベルトルトの笑みの意味など知らないジャンは期待ばかりが膨らんでいった。






13.06.03
×××××××××
思春期は性欲に素直であり、貪欲だ。



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