進め!巨人殺し
本能に従え(調査兵団)
※原作5巻の勧誘式その後







「以上、解散だ」


エルヴィンの挨拶で勧誘式が終わった。

調査兵団への入団を決めた新兵達の顔色は優れない。
己で決めた道なのに、恐怖と後悔が心に渦巻くのは仕方のないことだろう。

誰もが目を伏せた。

けれど、進まなくてはならないのだ・・・・



「ねぇねぇ!!君達!!ちょっといいかな!?」
「は・・・・?」
重苦しい空気と場違いな明るい声が響く。


「ねぇ!君って背高いね!!何センチあるの!?こっちの君は筋肉の付き方が凄いね!!」
「は、ぁ・・・・」
ベルトルトとライナーの前に立ち塞がるのはハンジだ。
目をギラギラさせて2人を交互に見やる。

「すっごいイイカラダしてるよね!!あのさ!隅々まで見せてもらえないかな!?もちろん触らせても欲しいんだけど!!」
「は!?」
「ねぇ・・・どうかなッ!?」
呼吸の荒いハンジにベルトルトはライナーより半歩下がってしまったのは、いつもの逃げ腰故にだ。

「あの、意味がよく分からないんですが」
「ちょっとした興味なだけだよ!大丈夫!怖いのと痛いのは最初だけだからさ」
さすがのライナーをハンジに気迫負けして戸惑った。

「ちょ、分隊長!!未成年に淫行はやめて下さい!!」
「大丈夫!酷くしないから!!」
モブリットが必死に止めてもハンジは2人に迫り続けた。


「おい、クソメガメ・・・・」
「あ、リヴァイ兵長」
上官の暴走を止められる人物の登場にホッとする。

「お前、何恥晒しなんてしてんだよ?」
「恥!?何故だ!!こんなにイイ材料が目の前にいるというのに指を咥えていろと言うのか?」
「唾が飛ぶから落ち着けよ・・・・汚ねぇな」
リヴァイは熱く語るハンジにうんざりした。

「このガキ共が何だっていうんだよ?お前の専門は巨人だろうが」
「ッ・・・・」
ハンジはハッと我に返る。

「そう言われると・・・・何でこんなにたぎってるんだ?」
ハンジは涎を拭いながら己の言動を振り返った。

「ったく・・・・」
落ち着きを取り戻したであろうハンジから、リヴァイは視線をライナーとベルトルトに移動させる。


「まぁ・・・・お前の気持ちは分からんでもないような気はする・・・・」
リヴァイは立体起動装置をカチャリと鳴らした。


「お前等・・・・削いでみてぇな・・・・」
「ッ!!!!」
リヴァイの殺気に満ちた視線にライナー達はゾッとした。



「ブフーッ!!!!リヴァイ、それってさ・・・・」
ハンジはいきなり吹き出す。

「お前からしたらこの2人は巨人並みの体型だけど、巨人じゃないからwww」
「ブッ殺す・・・・」
ゲラゲラと笑いながらリヴァイの肩をバンバン叩くので、リヴァイの殺気はいよいよ本物だ。


(何なんだよこの人達はよぉ・・・ッ!!)
たった今、直属の上官になった人類最強と言われる兵士長と分隊長のやり取りにジャンは心の中で叫んでいた。


「・・・・・」
(あ、俺、死んだ)
バチっとリヴァイと目が合った瞬間にジャンは自分の死期を悟る。

「ッ!!??」
「ちょっとリヴァイッ!!」
それと同時に視界のブレ、身体の痛みを感じた。

「今のガキ共は頭が軽いから無駄にデカイのか?」
「ぐ・・・・何で、俺・・・」
ジャンはリヴァイに足蹴にされて、地面へと踏み倒されていた。

「おい、リヴァイ・・・・新兵だって貴重な兵力なんだから大事にしろよ」
「・・・・何となくだ」



ハンジは本能的に、巨人研究の情熱をくすぐられ、
リヴァイは本能的に、巨人討伐の使命に駆られ、ジャンに嗜虐心を煽られた。

そして、
一番の被害者ジャンは本能的に、この扱いがこの先も続くのだと感じ取り、早くも調査兵団を志願したことに涙するのだった。







13.06.18
×××××××××
ドS兵長にいじられる安定のジャン。



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