進め!巨人殺し
まだ機は熟さない(マルジャン)
.





「なぁなぁ!マルコ!!」
「どうしたの?ジャン」

笑顔で駆け寄ってくるジャンに、自然とマルコも笑顔になった。

マルコはこの笑顔が好きだった。
普段は斜に構えているのに、自分の前では素直な表情を向けてくるジャン。
心を許しているという優越感。



「なぁ、俺の腹筋割れてきたと思わねぇ!?」
ジャンは嬉しそうにシャツを捲り腹を見せた。
確かに凹凸が出来ている。
毎日あれだけ過酷な訓練をしていれば必然的なものか。

「へぇ、スゴいじゃないか!もっと見せてよ!」
「おぅ!見ろ見ろッ」
ジャンは得意気にシャツを更に上げて上半身を露出させる。

「うわー・・・・いいなぁ、ジャン」
「だろ〜?」
マルコはジャンの肌に触れ、その筋肉を確認する・・・・


もちろん、それは建前だ。


ジャンの白い素肌
成長途中の身体
無防備に晒され、そのままで終われるわけがない。

危機管理など微塵もないのだから、
マルコの喉が上下したことなどジャンは気付くはずもなかった。



「僕は筋肉が付きにくい体質だから羨ましいよ」
「もっと俺みたいに鍛えてみろよ?」
「いいなぁ〜、ジャンかっこいいね」
「ふふん」
褒められて、感嘆の声を浴びてジャンは自分に酔っている。

けれど、マルコの指が脇腹など敏感な所を這うので流石にジャンも大人しくなる。


「ジャン、いいなぁ・・・・」
「う、ん・・・・」
背筋がゾクゾクとする感覚に、シャツを握った手に力が入る。


「本当・・・・カタくなってきた」
「あッ!!」
マルコの指が、ピンと立ち上がった乳首を掠めてジャンは艶っぽい声を出してしまった。

「わ、ぁあッ!!か、カタくなったって、ど、どこの話だよ!!」
ジャンは己の声に恥ずかしくなり、顔を真っ赤にさせてシャツを下ろす。

「え・・・・腹筋だけど?」
「〜〜〜〜〜ッ!!!!」
少し前屈み気味なジャンが言いたいことは分かっているのに、マルコはさらりとかわす。
そうすると、ジャンは唇を噛んで泣きそうな顔で羞恥を堪える。

(あぁ・・・・可愛い・・・・)
マルコは内側で湧き上がる衝動を抑える。

「俺、用事思い出した!!」
「うん」
「じゃあなッ!!」
走るように逃げていくジャンの後ろ姿に口元が緩む。


「早く食べてしまいたいよ・・・・」



青い果実に手を加え、
ぽとりとおちる、その時が待ち遠しい





13.06.16
×××××××××
マルコは少し黒いくらいがおいしい。
本当は死んでいないんだろう!?
ジャンを巡る争い激化希望。



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あきゅろす。
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