戦国
背中で語れ(拍手log)
「………出て来いよ………いるんだろ」
政宗が誰もいない空間に呼び掛けると、黒い煙と共に苦笑いを浮かべて姿を現す。
「あはは………竜の旦那ってば気配に敏感過ぎるって」
「隠れる気もないくせによく言うぜ………で、何の用だ」
「勿論、会いたくて来ちゃった」
「…………馬鹿な奴………」
にこっと微笑む佐助に政宗も呆れながら笑みが零れた。
「…………背中貸せよ」
「ん?何?」
言われるがまま佐助は背中を向けて政宗の近くに座る。
「んん?」
「………………」
「竜の旦那…………?」
背中に感じる重み………
「………こんなそばにいるのに顔が見れないなんてなぁ」
背中合わせで密着した距離に嬉しい気持ちもあるが、焦れったさが勝ってしまう。
「………顔を見てたら情が湧くからな………」
「えっ!」
「振り向くな」
「あ、うん………」
思いがけない言葉に佐助は頬が熱くなるのが分かった。
「表情や言葉じゃなくたって伝わるだろう………」
トクン
トクン
「………手は繋いでもいい?」
「しょうがねぇ奴だな」
背中で感じる互いの鼓動
言葉は交わさなくても伝わる想い
(あぁ…………抱き締めたいな)
トクン
トクン
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拍手お礼Ss
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