戦国
殺伐とした風情(親+就)
「いよぉ〜毛利」
ドシドシと床を踏み鳴らして現れた不躾な大男に元就の眉間の皺は深くなった。
「毎度毎度………目障りだ、消えろ」
「俺に会えて嬉しいからって照れるなよ」
「会話にならない低能な輩は我が消してやろう」
遠慮というものを知らない元親に殺意を抱く元就。
「今日は用があって来たんだよ」
「我にはない…………今すぐ消えろ」
当然のように近くへ来て元親は腰を下ろした。
「安芸の国は紅葉が綺麗だと聞いてな」
「何かと思えば………そんな当たり前の事を言いに来たのか?」
「だからよぉ………お前と紅葉狩りに行こうと思って来たんだよ」
「…………」
にやにやと笑う元親は気に入らないが、風情を楽しむ心意気を持ち合わせていたことに意外で、元就は少し考えてしまった。
「なぁ………逢引きの理由にはなるだろう?」
パァンッ──────
乾いた音が響き、何が起こったか一瞬分からなかった元親だったが、じんじんと次第に響く頬の痛みに理解した。
「痛ぇ〜…………」
「鏡でも持ってきて鮮やかな紅葉でも見ているがいい」
元就の容赦ない平手打ちにより、元親の頬には紅い手形が出来上がったのだ。
「貴様に触れてしまった…………穢らわしい」
「おーい、どこ行くんだよ」
元就は少しでも迷ってしまった自分も許せなく、立ち上がった。
「手を清めるに決まっている!………もう二度と顔を見せるな」
「ったく、照れちゃって素直じゃねぇよな」
「どうやらこの世に未練はないみたいだな……………」
「あるある!まだお前と契りを交わしてねぇよ」
「消すッ─────」
戯れ合い感覚の元親
心底殺意を抱く元就
いつまでも平行線な二人。
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サイトでは初めて?の瀬戸内!
能天気なチカと、ツンツン(毛嫌いしてるだけ?)なナリ。
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