戦国
仮面の下(*政×?)










はろいん??

仮面を被って仮装して?

お菓子を貰って悪戯して……??

お盆?度胸試し??


異国の文化はさっぱり意味不明。


冬を前に奥州へ堂々と行けることは嬉しいけど、

そんな文化を楽しむ竜の旦那って、好奇心旺盛というか………

何に惹かれるのか理解に苦しむなぁ。


まぁ〜……世界に目を向ける野心家ってことにしときますかね………








「佐助!何をぼーっとしておるのだ?そろそろ行くぞ」

「あ?あぁ〜ごめんごめん!休憩はもういいの?」

「うむ!一刻でも早く政宗殿にお会いしたいからな!」



政宗から『はろいん』なる祭の誘いを受けて、奥州へ向かう道中に川辺で一休みをしていたのだ。




「楽しみだな!佐助っ」

「ははは〜」



(旦那はこういう子供染みたこと好きだもんね………そんな旦那を竜の旦那は……)




にこやかな笑顔の絶えない幸村に、ついつい渇いた笑いをしてしまう佐助だった。









─────

「政宗殿ーッ!!」

「来たか………」



暑苦しい大声が聞こえ、自室にいる政宗は口端が上がった。




「政宗殿!天狐仮面でござる!」

「ククッ………よく来たな」



幸村は狐のお面を被り現れた。




「佐助に借りましたが、どうでござるか?」

「Ah〜……お前にしては上出来だ」

「おぉ!」

「それで……面の持ち主は一緒じゃないのか?」



ほんの少しだけ幸村の表情は曇った。



「佐助は……途中はぐれたきりです」

「ん………何だ?妬いてるのか」

「ッ………………」



居ない忍の行方を気にすることに僅かながらに嫉妬したのは事実で、指摘されて恥ずかしさが込み上がり何も言えなかった。




「ククッ……褒美の菓子を持ってくるから待ってな」

「……政宗殿ッ」

「ん?」




立ち上がろうとした政宗の袖を引いたのは、何かを訴える目をした幸村だった。




「少し………」

「………あぁ……」



幸村は二人きりで再会を喜び、甘えたいのだと政宗は気付き、腰を下ろした。



「………お会いしとうございました………」

「Me too……」



素直な感情を表に出す幸村が可愛らしく思え、肩を抱き寄せた。




「文を頂いてからこの日まで待ち遠しかったです……」



幸村も政宗を抱き返し、悦びが全身を駆け巡った。




「すぐにでも奥州へ向かいたい衝動を抑えるのは大変でしたよ」



幸村は肩口に顔を埋め、喜びを噛み締めた。


「ククッ………駄々っ子がよく我慢出来たな」

「そっ某は駄々っ子ではっ………」



指摘を受けてバッと顔を上げると、悪戯な笑みを浮かべる政宗がいて、からかわれたのだと気付いて赤面してしまった。



「フッ………」

「ぁ……政……宗殿………」

「幸村………」




互いの瞳に自身が映り込む距離になったことで、二人の空気は変わった。




「…………」




無言で見つめ合っていると、政宗はスッと目を閉じた。



「っ………」



幸村は緊張しながらも顔を傾けて近づけた。






「………一つ教えてやる………」

「えっ───」




吐息が交わり唇が触れそうな瞬間に政宗が口を開いた。



「………俺と幸村は……まだ一度もKissしたことないぜ?」

「えぇっ!?」



幸村は驚きのあまり体を離した。




「忍が………尻尾出しやがったな」

「あっ…………ははは〜」



幸村の姿で苦笑いをしたのは佐助であった。





「………最初から気付いてたの?」

「ククッ……あいつは俺が目を閉じると狼狽えてKissどころじゃねぇからな……」

「それで………はぁ〜……旦那ってば奥手にも程があるよ」



佐助は情けないようなばつが悪いようなで頭を掻いた。



「それにしてもよく化けてんな」

「でしょ?俺様天才だから〜」

「………幸村の顔でそんな台詞吐くな」

「はははっ違和感あるでしょ」



幸村がへらへらと笑ったり自賛する姿は異様だった。



「どんなんにも化けれるのか?」

「うん♪実際の人や動物や物だったり………想像すれば実在しない人や物の怪にもなれるよ」

「…………」



幸村の姿に眉を寄せていた政宗だったが、佐助の忍術に興味が沸いてニヤリと笑った。




「お前が女になることも出来るか?」

「誰か……じゃなくて俺が?」

「そうだ」

「ん〜出来るけど俺様美人だから惚れないでね」

「ククッ……」




佐助が印を結ぶと体が黒い煙に包まれた。



「───ッ」

「………どう?」

「顔付きは丸くなったな……脱げ」

「竜の旦那楽しそうだね………」



政宗の笑みを見て、佐助もまんざらではなく言われるまま服を脱ぎ、細くて白い女体を露にした。



「………随分と乳がでかくねぇか?」

「旦那好みじゃない?」

「ククッ………嫌いじゃねぇよ」



胡座をかいた政宗の上に向き合うように座った佐助の豊かな乳房を触った。



「………本物みてぇ」

「本物なんだってば……やんっ……そんなに揉んだら俺様感じちゃうよ」

「Ha!しおらしいこと言うじゃねぇか」

「だって……本当に女に化けてるんだから、要領も同じだよ」

「そいつはいい……」




政宗は楽しそうに佐助の腰を引き寄せて、もう片手で乳房を揉みながら隆起した乳首を口に含んだ。




「中身が男と分かっていれば無茶なPlayも楽しめそうだな……」

「ん……何?………本当に孕んじゃうんだから駄目だよ」



佐助はうっとりとした表情をしながら政宗の髪を撫で、胸への愛撫を受け止めていた。




「ぁ………旦那ぁ………」




二人は口付けを交わそうとする………






「むぁさむねどのー!!!」






スパーンッと勢いよく襖が開けられた。




「火男仮面でご………ざ……る…………」




驚きで固まる佐助と政宗。


乳繰り合う現場の目撃で思考回路が停止した幸村。






「はっ!はっ!破廉恥でござるぅぅーッ!!!!」






城から離れた小十郎の畑に止まっていた雀が飛び立つくらいの大絶叫で幸村は走り去った。






「……………あれどうすんだ………」

「ははは………」



せっかく盛り上がった感情も萎えて、渇いた笑いが漏れた。




「はぁ〜………捕まえてきます」



佐助は変化を解いて服を持ち、立ち上がろうとした。




「………おい」

「え〜何……───ッ!?」



政宗は佐助の頭を引き寄せて唇を重ねた。




「………一回位はしねぇとな」

「あ、うん、えっと、行ってきますッ」



不発であったが口付け一つでも笑みが零れる二人だった。









その後、四里離れた山中で無事に幸村は捕獲され、

政宗が用意してくれた異国のお菓子に大満足の様子だった…………

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