戦国
肯定否定B(*慶×政)
※続き
目の前にいるのは同性である男だ。
友人と肩を抱き合ったり体を密着させても興奮したり、ましてや欲情するなんて有り得ないことだ。
なのに何故………
何故、目の前の男にこんなにも心を乱されるのだろうか。
息遣いが聞こえるような距離で向き合った慶次と政宗。
「…………じゃあ………」
慶次は意を決して口を開き手を伸ばし、瞳を閉じて身を任す意思を表した政宗に触れた。
(柔らかい髪だ……)
後頭部にそっと手を添えて政宗の体を支えながら仰向けに倒した。
(………もう………退けねぇぞ………)
いつもなら口付けが始まりにしているが、まだ男を抱くということに違和感があるのか、唇は避けて首筋へと顔を埋めた。
(いい香りがする………)
慶次は髪を撫でながら首筋に唇を合わせた。
「ん………」
口付けをしながら舌を這わせると、政宗は鼻から抜けるような吐息を漏らした。
(感度がいいのか…………男も女も大差ないのか……?)
「ぁ………っ」
首筋を舐め上げ、耳朶を甘噛みすると小さな声を出した。
(うわ………やっぱ男も変わらねぇのかもな……)
着物の合わせ目から手を入れて、膨らみはないが小さな突起物を指で摘まむと、声は出なかったが眉間に皺を寄せたので感じているのは明らかだった。
(柔らかさはないが……絹みてぇに滑らかだ……)
舌の愛撫は段々と下がり、露にされた白い胸を弄り始めた。
ちゅぅ………
「アッ……!」
「………ッ」
突起物を口に含んだ瞬間、政宗は体をビクッとさせた。
慶次は顔を上げると、上気した頬に潤んだ瞳、少し困った表情をした政宗と目が合った。
「見……んな……!」
「〜〜〜!!」
恥ずかしそうに腕で顔を隠す政宗に、慶次の下半身は一気に血が集った。
(やばい………やばい……こんなの可愛いじゃないかよぉ)
呼吸が荒くなってきている慶次は身を離して政宗を裸に剥いた。
「なぁ……男ってさ……どうしたらいいんだ?」
裸身の中心には勃ち上がった男の性器がある。
慶次はそれさえも興奮を覚えた。
「男だし………基本は女と変わんねぇ……」
「あぁ………ここは擦って欲しいし、太いの頂戴ってこと?」
慶次は乱された気持ちを落ち着けたくてふざけてみると、政宗は睨みながら口端を上げた。
「Ha!お前はちゃんとした物持ってるのかよ!」
「ん〜?多分ね」
「俺はちょっとやそっとじゃ満足しねぇぞ?」
「頑張るよ………」
慶次はまた覆い被さり、首筋を吸いながら政宗の自身を握った。
「ん、ぁ………」
(やっぱ男だね………ここを刺激しちゃうと感度が上がるよ……)
政宗の表情を盗み見しながら反応を楽しんだ。
「なぁ………」
「ん?」
「手出せ………」
身を振るわせながらも強気な政宗に素直に従い手を出した。
「ッ」
慶次の右手は掴まれてそのまま口へと運ばれた。
「女と違って……濡れねぇからな……」
政宗は人差し指と中指を舐め上げた。
(や……やらしい……!!これが計算じゃなかったらとんでもねぇよ!?)
柔らかい舌や温かい口内、たまに漏れる吐息に水音………
慶次は理性を保てる自信が揺らいでいた。
「……ちゃんと解かせよ?」
「あ……あぁ……」
自由になった手をそのまま股の間へ持っていき、蕾を探った。
「アッ……」
湿った指は目的の場所に辿り着いた。
「ぅ……ん……」
体の強張った政宗だったが、
(あ………女の子との癖で接吻しちまった……)
慶次は緊張を解くように優しい口付けをした。
(甘いな……男とするのも悪くないかもなぁ〜……やべ)
慶次は角度を変えながら唇を啄み、指を侵入させた。
「あ……ん……」
政宗は息を吐きながらゆっくりと動く指を飲み込んでいった。
(………いいな……これ……)
「ん………アッ」
指を出し入れするとくちゅくちゅと音が漏れるくらいに解されてきて、政宗は上半身裸になった慶次にしがみついた。
「なぁ……教えてやる……」
「ん〜?」
「男にも……いい場所があるんだぜ……」
「え?こん中にか?」
「あぁ……焦らされてるみてぇで……辛ぇ……」
「ッ!!」
眉を寄せながら潤んだ瞳で懇願されて慶次は憤死しそうになった。
「ど………どこ?」
「もっと手前……ん……違……」
政宗の言葉に先導されて指は内部を探った。
「もう少し………アッ!!」
「───ッ……ここ?」
凝りのような部分をクイッと押すと政宗の体は痙攣した。
「ん………」
「はぁ………気付かなくて悪かったな……」
政宗は小さく頷き、それに胸が締め付けられるような気がして、優しい口付けをした。
「ここがいいとこか………」
「アッ!んっ!やっ……」
慶次は政宗の喘ぎ声が嬉しくてその場所を何度も刺激した。
「あ、アッ!んッ………!!」
「ぉ………」
政宗は体をびくつかせて吐精した。
「たっぷり……出したくて堪らなかった感じだな……」
「ハァ……ハァ……お前も出したい頃だろ?」
耐え兼ねていた精を吐き出せて政宗の笑みにも余裕が出ていた。
「………まぁね」
「来な………」
─────
「ハァ………ハァ………」
「ん……ハァ………」
二人の乱れた呼吸音が響いた。
「あぁ………すげ……」
慶次は溜め息を漏らし、閉じていた目をゆっくりと開けた。
「ハァ………」
視界には、とろんとした目付きで脱力した政宗が入った。
その腹には二人分の白濁の液が撒き散っていた。
「お前って……女たらしなだけあって抱き方が丁寧だな」
「そうか………?」
慶次は政宗の横に倒れた。
「俺を抱いた奴等はこっちが男で頑丈だからって無茶したぜ………」
「それは………」
(それは違うなぁ………良すぎて我を忘れちまうんだよ……)
慶次は天井を見上げながら、上田で会った男達の顔がちらつき苦笑いをした。
「中出しもしやがるし………」
「あぁ〜……」
「……その点お前はくすぐったい位に優しいな」
「………ッ!!」
不敵な笑いでも悪戯めいた笑いでもない、穏やかな笑顔を向けられた慶次は、自分の顔が真っ赤になるのが分かった。
「そりゃどうも………」
慶次は恥ずかしくて横を向くと政宗は起き上がり、腹の精液を着物の裾で拭った。
「女扱いみてぇな優しいやり方も悪くねぇが……」
政宗は立ち上がり着物を羽織った。
「俺は……余裕のねぇ我武者羅な方が好きだぜ?」
「───ッ」
今度は挑発するような笑みを残して部屋を出て行った。
「……………はぁ〜……」
慶次は政宗の気配が遠ざかってから頭を抱えた。
(余裕がないから攻められずに逃げたんだよ………)
「あぁ〜……参った………あんなに男が色っぽくて気持ち良いなんて………」
まだ下腹部の熱は帯びたまま……
「…………よっと!」
慶次はガバッと起き上がった。
「上田にでも行って俺も盛り上がるかな!?」
竜の手に堕ちた男が一人、理解し合える同士の元へと向かうのだった……───
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ダラダラと前戲に時間がかかりました(違?)
かなり不発ですので、またの機会で慶次には爆発してもらおうと思います(逃)
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