プラムブルーに染まる君(モノクロ/洸白)

「白銀サン、」
振り向かない白い影。真っ直ぐ蒼空を視てる。

「ねえ、愛してるって言ったらどうする?」
「キモイ」
「ひっでえ〜」
「キモイ、喋るな」
ヒドいなあと軽く笑ったオレ。案外傷ついたよ?

「白銀…オレの嫁に来ない?」
「は?莫迦か糞餓鬼が」
「好きだよ。白銀」
「…糞餓鬼」
闇の皇は気づいてる。光の皇も気づいてる。でも、誰もオレを止めようとしない。
何故?

「白銀が欲しい。白銀と生きたい。…あとは、いらない」
「おい、餓鬼」
漸く振り向いてくれた。蒼空じゃない、オレを見てくれる。
蒼空が映ったプラムブルーの瞳。蒼空と、俺が映った、夕暮れ前の瞳。


「…白銀」
「チッ…イカれてやがる」
「俺はイカレてなんか、ないよ?」
「じゃあ壊れてる」
「えー?なにそれ」
俺は壊れてなんかないよ。
ただ白銀のことが好きで、それ以外を除外しようとしただけだ。
「愛してるって言って」
「それで満足なのか」
「うん。白銀が嫌なこと、もう何もしないよ」
「馬鹿か。糞餓鬼」
「…もう、誰も、殺さないから」
白銀が嫌なら、白銀が愛してるって言ってくれるなら。
「白銀…」


君はそれでも口にしない。


優しい優しい白の皇。
俺が依存してしまうと分かってるから何もしない。
白銀の大切な人の血に濡れてる俺に、それでも優しい。
そうやって俺は勘違いして、また白銀の大切な人を殺すのだろう。

最後の最期にふたりきり。
そして、ようやく、
愛してると
言って。




―――――――
いみふめい。
洸がヤンデレ。


090805

[次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!