太陽は燃えている(バスカッシュ/火氷)
*バスカッシュ
*ファルコン×アイスマン
*注意*描写してませんがヤってます
*キャラ崩壊ひどいです




耳の後ろに熱く荒い息がかかる。気色悪い。
もうこんなこと嫌なんだ。最初から嫌だった。どうして自分なんだ。どうしてこんなことされなきゃいけない。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!

それなのに。

激しい嫌悪を超える快感が身体を溶かしていく。嫌だと言っても頭をそれで満たしてもすぐに消える。理性が、プライドが、揺れ動いて壊れそうだ。
ああ、もう、と許しを求める。求めるしかない。
憎くてたまらない、自分と正反対の熱をもった男に。無慈悲に無意味な繁殖行為を繰り返す男に。同性の敵対するチームメンバーの身体を犯す男に!




そこに、愛なんてない。





The sun is on fire



堅く目蓋を閉じても分かるほど、明るかった。信じたくはないし信じられもしない。まさか真夏の真昼から、どこから誰が来るかも分からない路地裏で犯されているなんて。しかも同性が、あのファルコン・ライトウィングにアイスマン・ホッティが。
二人の名を知っているものはショックを受けるに違いない。名の有る二人がそんな関係だったのかと。
しかしそれはアイスマンにとって屈辱以外の何者でもなかった。

強要された関係。敗北により得られた最悪の関係。何度となく繰り返された搾取されるだけの関係。
考えてみれば「熱い」時にばかりされている。太陽の照らす場所、時間、試合後の火照った身体。ああそうだ。今だって試合後の、相変わらず勝てなかった試合のすぐ後。そのまま連れて行かれた路地裏で当然の如く行われている陵辱。
抵抗なんてもう意味を成さない。抵抗なんて、するだけ無駄だ。残ったプライドと理性が崩れるまでの辛抱なのだ。もしくは、この身体にやつが飽きるまでの。
どうあがいても哀しいほどに、残酷なことに、壊れる道しかない。選択肢も、壊れ方の違いだけ。


風が吹く。
砂塵が舞い薄く開けた瞳に炎が散った。熱を愛する男はその身すら赤かった。目障りな色。覆い被さってきて肩に垂れたそれが熱を孕んでいるようで指先に絡ませた。
太陽に照らされてそれは熱かった。やはりこの男は熱の塊、言うなれば太陽のようなやつなのだ。光ばかりを手にする憎き存在。誰もが焦がれる世界の象徴。

じゃあ、自分はなんなのだろう。ああ、くそ、揺さぶられて思考が消えてしまう。考えられない。
消えてしまう。消えてしまうから止めてくれ!やだ、止めろ、なくなる、なくなってしまう。俺が熱で溶けて消えてしまうじゃないか!

痛いほど強く握りしめた金網に赤い糸が絡まっている。さっき指先に絡ませた髪なのだと波打つ思考で考えた。

「痛いだろう」
「っ!」
絡まった髪をほどくように指を絡ませられた。諫めるように首筋を吸われ頭がくらりとした。
吐き気がするのは気持ち悪いからではないのだろうか。やつの子を孕んだ『つわり』かもしれない、冗談を考えられる自分に驚き、そんな絵空事を思ってまた吐き気がした。

「今日はどうした?ずいぶん甘えてくるじゃないか」
「なっ!?」
「そんなに接戦で負けたのが悔しいのか?」
最後の何秒にシュートを決められず負けた試合が甦る。カラカラとゴールをまわり外れた軌跡。そして鳴り響いた終わりを告げる音。噛み締めた唇が痛い。
「後少しだったのにな、だがまああそこまで興奮したのは久々だ…。セックスしてるみたいに熱くなったよ。おかげで今日は抑えられない」
それでこんなに急なのかと納得しないながらも理解する。
「お前も今日はいつもにまして可愛いよ。でも俺が欲しいならちゃんと言え」
「お前なんて…、誰が!」
振り向いて悪態をついてもファルコンはまったく動じない。むしろ今日は本当に嬉しそうに口元を緩めている。気持ち悪い。

律動が再開され思考がまた消えていく。乱暴な、それでいて巧みな動きは悔しいことに上手かった。翻弄される。
掴んだ金網の熱さと貫かれる痛みだけがすべてを繋ぎ止めていた。

きっと、もう終われない。終末はどこにも見えない。支配され、使えなくなるその時まで。
せめて、この男に違う何かを抱けたならば。逃げ道をつくろうとする残虐な気持ちにただひとしずく涙が溢れ出た。今更、愛なんて、好きなんて誰が思えようか。



燃え続ける太陽が金網に縋りついた哀れな男を焦がしていた。



***
ファルコンとアイスマンの関係はエロいといい。
アイスマンはダンたちには敬語だけどファルコンにはどうなのだろうか。なにか分かったら修正します。

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あきゅろす。
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