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案内役



銀魂高校"生徒会長"
───みょうじ なまえ。
なんたる失態。





君に捧ぐ空
04:案内役
(なんで今いるんだ)





『……3Zの教室ってどこだっけ』



気がつけば、普通に3年生の階に来ちゃっていたあたし。けど、3Zの教室は(苦情があって)別棟に移したのをすっかり忘れてた。

あー…こんなことになるなら、アイツに任せないで自分でやっとけば良かった。



『あの天パのセンセもいないし』



どこ行ったんだアイツも。普通追っかけてくるよね?あ、普通じゃないんだった。


周りを見渡しても、3Zって書いてある標識も見当たらないし。
でも、ココで立ち往生っていうのも、なあ…



『うーん……』

「どうしたの?」

『!』



いきなり背後からかけられた声に、少し肩が跳ねる。だってまだ授業の終わりのチャイムなってないのに。

振り向くとそこにいたのは、一見マジメそうなパッとしない男の子。あたしの顔を見ると、心なしか青ざめる。



「じ、女王様…?!」

『……』

「あ…っ、すみません、みょうじさん!」

『……いいよ、別に』



バトミントンのラケットを片手に、腰を90度に曲げて頭を下げるジミー(仮)。彼が言う“女王様”っていうのは、生徒たちが決めたあたしのあだ名らしい。

なんてゆうか……ねえ?もっとマシなネーミングセンスの人いなかったんですか。


ん?待った。それよりこの人って確か…



『ねえ、ジミー』

「ジミー?!」

『…あ、間違えた。ごめんねジミー(仮)』

「変わってないんですけどォォ!!」



ビシッと見事なタイミングでツッこんでくれたジミー(仮)。どうやら彼は“山崎くん”っていうらしい。



「あ、あの」

『ん?』

「今って授業中ですよね…?何で女お…みょうじさんはここに?」

『それはこっちのセリフなんだけど?あたしの前で随分と堂々とサボってるよねキミ』

「こ、これは沖田さんに…っ」

『……沖田?』



ああ、やっぱり。
どっかで見たことあると思ったら、いつも沖田や土方と校門で服装チェックしてる風紀委員の男の子だ。

ふふっ、ラッキー。



『ね、山崎くん。良かったらキミの教室まで連れてってくれないかな?』

「え?」

『だめ?』

「い、いえ。いいですけど何でまた…?」

『………』

「?」



ま、当然の反応か。



『すっごく。すっっごく不本意なんだけど』

「うん…?」

『あたし3Zに移動になったんだようん』

「ええええェェ!?」



…リアクションでか。面白いけど、ラケット投げたせいで窓ガラス割ったのは頂けない。

予想以上の反応を示す男の子にとりあえず今までの流れを説明したら、すごい哀れまれた



「あの人達ってホント凄いのか凄くないのか分からないなあ…」

『髪の毛の話?』

「いや、人間性です」

『人間性ないだろ。人生って歩道から外れて線路突っ走ってんだよあのバカ2人組』



坂本センセの誰にでも差別ないところは気にいってたけどさ。



「みょうじさんが思ってる以上に、銀八先生は凄い人なんですよ」

『……アイツが?』

「はい。沖田さんや土方さんも、あの人には一目置いてますから」

『…へえ…』



3Zの教室に向かう間、山崎くんは天パセンセの話を楽しそうに話してくれた(勝手に)

あたしにはちゃらんぽらんにしか見えなかったんだけど…。



『坂田銀八、か』

「みょうじさん?」

『(………まあ)』



少しは楽しめるかな。





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あきゅろす。
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