『……は?ちょ、何?もう一回言って』
「それが金時との賭けに負けてしもうてのー。おんしゃ、今日からZ組じゃ。アッハッハッ」
『ふざけんなこの毛玉ァァァア!!』
君に捧ぐ空
02:3Z落ち
(全てはあの馬鹿担任のせいです)
バカとのそんなやりとりが5分前の出来事。
今、あたしの前には職員室という第1関門があって、モジャ男の言う通りにココに来たのはいいけど、なかなか中に入れずにいた(あ、今の早口言葉にできそう。)
『てゆうか今、授業中じゃなかったっけ』
……入りづらっ。
授業中に職員室って何。ふつー休み時間とか放課後だよ。しかも中が静かすぎるし…会議とかしてるなら気まずさMAXじゃんか
うーん…どうしよう。
「お〜い。何してんの、君。授業中に堂々と職員室の前でサボりですかァ?」
『あ、あたし……』
……誰だ。
先生が来たのかと思って振り返ったら、そうとはいい難い男が頭をかきながら立ってた。
「お〜い聞いてる?」
『…………』
着崩したスーツにヨレヨレの白衣。ペタペタと床を踏むスリッパはボロボロで、口には校舎内なのにタバコ。おまけに天然なのか髪はくるくるとうねり、眼なんて死んだ魚のよう
変質者にしか見えな
「ちょっとォオ!全部聞こえてるからねェェ?!」
『あ』
やば。
心の中で言ったつもりだったけど、全部声に出てたらしい。
『すみません。あたしすっごい正直者で』
「それフォローにしたつもりなんだろうけど、何一つフォローできてないからね」
『マジでか』
銀さんのガラスのハートが……なんて、ぶつぶつ言い出した変質者(仮)。一体誰なんだ、この人。
「外が騒がしいと思ったらあんた達かィ」
『理事長…?』
「おや、みょうじじゃないか。話は坂本から聞いてるよ」
ガラリ、と職員室の扉が開いて出てきたのは銀魂高校の理事長、通称お登勢さん(推定年齢54)ガラと顔の怖い舞妓さんモドキ。
相変わらずケバい。
『話聞いてる…って、あんなフザけたやり方のZ組移動なんて認められるんですか!?』
「まァ、あんたには悪いけどね。こっちとしても悪い話じゃないんでねェ…」
『それはどういう…』
「悪名高きZ組も優秀組のあんたが入れば、多少評判も上がるんじゃないかって事さね」
なんて勝手なんだ。生徒が生徒なら教師も教師か…。まさか理事長まで賛成してるなんて思わなかった(最後の救いだったのに。)
「それで、あんたの後ろにいるのがZ組の担任なんだが…」
『へ?』
「いつまでそうしてるつもりだい銀八ィ!!」
「るせーなババァ!俺はA組の優等生ちゃんを待ってんだよ!!」
いやいやいや。え?何?今、変質者(仮)があたしの担任だって翻訳されたんだけど…何?和訳ミス?そうだよね、そうに違いない。
「はぁ?何言ってんだィ。さっきからあんたの目の前にいるじゃないか」
「オイオイババァ。その年でセーラー服着る気か?ピーターパン気取りですかァ?そりゃ無理があ……ぶほぉ!!」
「この子に決まってるだろーがァァ!!」
「え?」
目を見合わせるあたしと、変質者教師(仮)
「『嘘ォォォ?!』」
……神様なんて大っ嫌いだコノヤロー。
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