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藪を突けば鬼が出る(高+銀)

*高+子銀+桂



高杉が銀時を初めて見た時、奴は無表情だった。流石に快く受け入れてくれるとは思っていなかったが、嫌な顔をしないのは少々意外だった。
銀時と言うのは、以前は松陽先生の元で暮らしていたが、松陽先生が亡くなった今、頼るあても無くなってしまった哀れな少年である。銀時は会話能力が普通と比べて格段に乏しく、意思の疎通が出来ない。一時的に預かったのはいいが、俺には何を言っているのか理解出来なかった。そこで、旧友の高杉の元へ訪れたのである。

「ヅラ、俺はお守りなんざ出来ねェぜ?」
「そんなことは頼んでおらん。銀時の話を聞いてやって欲しいだけだ」
「話ねぇ…」

言い草は普段と変わらないが、その目は食らうように銀時を見つめている。銀時は小さく正座して、高杉を見つめ返していた。

「何か言ってみろ」

品定めするように目を細め、高杉は銀時ににじり寄る。煙管に犬歯を立てている。殺す気か、この男は。高杉も銀時と同じく何を考えているのか分からない。
銀時は口を閉ざしたままだった。膝の上に手を置いたまま微動だにしない。沈黙が続いた。二人は視線を外さない。

「きらい」

銀時が零した。静かに、水が流れ落ちるように。
高杉は煙管を戻すと、口端を上げた。見た限りでは何を思っているのかは分からない。だが、愉しんでいるのは分かった。

「殺されてェのか?」
「きらい」

銀時の表情を窺うと、奴は笑っていた。子供のような可愛らしいものではなく、鬼が見せるような、恐ろしい笑みだった。高杉は喉を鳴らして笑っていた。あの寡黙な男が。

「ヅラぁ、こいつ貰ってくぜ?」
「勝手にしろ」

化け物の相手などしていられるか。どちらも刀の鞘に手を掛け、いつ刃を抜くのか分かったものではない。
俺は物音を立てぬよう立ち上がり、殺気の篭ったその部屋から抜け出した。



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なんでこんなピリピリしてんだろう

もっと子銀が可愛くなる話を書く予定だった\(^o^)/


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