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さようなら桃色の嫁(高銀)

*ギャグ
*総督が血迷った




いちごオレというものがあった。

販売しているメーカーは様々であるが、「甘い」という先入観は覆すことが出来ない。それを見つめる高杉もその一人であった。もちろんそれは銀時のものである。先程厠に行くと言って、飲みかけのまま置いていったのだ。

「(ほっとするおいしい甘さ…?甘い時点で美味くねェだろ)」

いちごオレの紙パックを手に取り、入念に調べていく。原材料の前半はほぼ糖だ。こんなもののどこが美味しいのか、甘味の苦手な高杉は眉をひそめるのであった。

しかし、興味を捨てることは出来なかった。あの生意気で、我が儘な銀時の機嫌を一瞬で直すことの出来るそれ。一体どんな仕組みがあるのか。

高杉は紙パックを手に持ちながらしばし考えた。試すか、否か。試す必要もなければ、試さない必要もない。

高杉は意を決して、注ぎ口へと口を付ける。間接キスだのどうこう言ってる暇はない。そのままゆっくりと傾け、舌を伝う液体を飲み込んだ。


「ただいまー。ってアレ?なんでお前が俺のいちごオレ持ってんの!返せよ、10倍で!」

厠から帰ってきた銀時の第一声に、高杉は反応を示さない。いちごオレを持つ高杉の手が僅かに震えていた。

「…高杉?」

訝しげに高杉の顔を覗き込むと、ほんのり甘い匂いがする。とりあえずいちごオレを奪い返し、安全地帯へ避難させた。

「おーい、高杉くーん。応答してー」

人形のように固まってしまった高杉を、銀時がばしばしと叩く。しかし相変わらず無反応で、銀時は、とうとう魂が元の場所に帰ったのかもしれない、と本人すらもよく分からないことを考えていた。


「……銀時…」

今にも死にそうな声を聞いた瞬間に、銀時の唇は塞がれた。高杉の舌が銀時の咥内を激しく蹂躙する。いつも以上に酷い口付けだ。高杉に後頭部を固定されてしまったため、銀時に逃げ場は無い。酸欠になりながら、銀時は高杉の舌の甘さを不思議に思っていた。



◇◇◇



随分と長い口付けから解放され、銀時はぐったりと畳に横たわっていた。もしかすると情事よりきつかったかもしれない。高杉もやつれた顔をして、呼吸を整えている。

「…死ぬかと思った」
「それはこっちのセリフだっつの!なんなんだよいきなり!」

高杉は首を巡らせていちごオレを見つけると、舌打ちを漏らし、荒々しく掴んで窓の外に投げた。
桃色の液体が美しい曲線を描いて落ちていった。

「何すんだよ!馬鹿だろ!お前絶対馬鹿だろ!」

名残惜しそうに紙パックを見送り、銀時は高杉に声を荒げる。高杉は類い稀なる嫌な笑みを浮かべていた。

「……銀時、今度俺の前にアレを持ってきたら犯り殺すからな」
「…え、うん…」


あれほどキレた友人兼恋人を見るのも久々だな、と銀時は頭の隅で思った。
ちなみに、いちごオレに罪はない。




−−−−−−−


弟のいちごオレを飲んだ私の感想ですww

……甘かった…死ぬほど甘かった……

ちなみに総督にも罪はありません。


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