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羽根の素敵な贈り物 3



――青の奇跡を。



物 3



少女の見つけたとの言葉に二人は反射的に後ろを振り向いた。そこにいたのは青髪の一人の青年。彼はこの世の者とは思えない程綺麗な人だった。


「…彼かい?」


ジャックが確認のために少女に問う。少女はコクリとひとつ頷いた。その間ティナは青年を見つめていたが青年はこちらに近寄りもせずただ微笑んでいるだけだ。
少女は繋がっている二人の手をぎゅっと握った。


「お兄さん、お姉さん、本当にありがとう。彼を見つけられたのは二人のおかげ」
「私達は何もしていないよ。ねえ?ティナ?」
「ええ。でも、彼に会えてよかったわ。もうはぐれないようにね」
「うん!」


二人は少女から手を離した。にこりと嬉しそうに笑った少女は青年の方に走っていった。そして最後に少女は振り向いて二人に手を振った。キラキラ光る景色。


「幸せになってね!」


その少女の声が二人に届いた瞬間、視界に白い鳥達が舞い上がってジャックとティナから少女と青年の姿を隠した。鳥達の羽と風からティナを守るためジャックは彼女を自分の体で包み込む。
鳥達がいなくなった時、そこには少女と青年の姿はなく、彼等が立っていた筈の場所には一つの青い羽根の髪飾りがあるだけだった。しばらく呆然と立っていた二人だったがゆっくりと少女と青年のいた場所に近寄っていった。


「…驚いたね」


髪飾りを拾い、ジャックは呟いた。ティナは隣で微笑んだ。


「彼等、一体何者だったのかしら」
「さぁ……でも」


ジャックはティナに向き合って緩く結われた髪にその青い羽根の髪飾りを添えた。きっとこの髪飾りは少女から一緒に青年を探してくれたジャックとティナに対するお礼の気持ち。友人だといいながらそれ以上の感情を持っている二人が幸せになれるようにと。


「とても、似合うよ」
「――ありがとう」


頬に添えられたジャックの手にティナは瞳を閉じて一回り小さな手を重ねた。微笑んだ先にいるのは互いの心の底から大切な人。



「素敵な贈り物ね」



これから先もこんな当たり前の幸せが続くようにと、青い羽根に願いを込める。
彼等の頭上では白と青の二羽の鳥が雲一つない真っ青な空の彼方へ寄り添って飛んでいった。










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