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小説 3
合体付喪神・前編 (1515151Hitキリリク・大学生・オナホ注意・R18)
 オナホにも色々種類があると知ったのは、独り暮らしを始めてすぐのことだった。
 一般に見かける筒状のヤツはハンドホールっつって、安価な初心者向けらしい。使い捨てタイプもあって、お手軽なのが特徴だ。
 販売ランキングを見ても、上位に入んのはやっぱハンドホールばっかだな。軽いし扱いやすいし、洗いやすい。種類もいっぱいあって、好みのタイプも色々選べる。
 中にはアナルホールっつって、尻穴の構造にこだわったヤツもある。
 オレもいっぺん試したけど、他のに比べたらキツイかなってくらいで、すげーイイとは思えなかった。
 対して上級向けって言われんのが、重量級の据え置きタイプだ。
 ラブドールの腹部だけのヤツっつったら分かりやすいだろうか? 腹にこだわったのとか、尻にこだわったのとか、ラインナップにも色々あるが、大体2穴式なのが残念なトコだ。
 オナホの穴は、1つでイイ。
 尻の感触にこだわった、1穴式の据え置き型アナルホール。さんざんネットで調べた後、8千円で購入したソレが、オレのお気に入りのオナホだった。

 なんで尻とか1穴式にこだわるかっつーと、オレの好きな相手が男だからだ。
 高校時代、野球部でバッテリーを組んでた相棒、三橋廉。
 オレは何年もずっとヤツに片思いしてて――別々の大学に進学し、顔を見なくなった今でも、やっぱ忘れることはできなかった。

 その代わりに、つったら悪いけど、お気に入りのオナホは「レン」って呼んで可愛がってる。
 通販サイトには、いかにもなゴツイ尻のタイプもあったけど、オレが選んだのはやっぱぷりぷりの白い尻のタイプだ。
 そこらの女よりも白い肌、キレイですべすべで触り心地のいい尻。きゅっと引き締まった腰つき。まさに三橋。
 残念ながら腰から上は何もねーけど、その分、余計なモンがついてねーから、存分に三橋を堪能できる。デカく引き伸ばした写真をくっつけた時には、リアル過ぎて暴走しかけた。
 ラブドール買った客は、数日間はサルみてーにやってやってやりまくるって聞いたけど、その気持ちも分かる気がした。
「はっ……レン……」
 たまらず名前を呼び、ぷりぷりの尻を掴んで腰を振る。
 狭い入口、内部のひだ。注ぎ込んだローションがずぶずぶといやらしく鳴って、にゅるにゅるきゅうきゅう包まれてヤバかった。

 今日もまた、寝る前のひと時を「レン」と一緒に気持ちよく過ごす。
「さあ、レン。準備はいーか?」
 そんなことを呟きながら、狭い穴の入り口からローションをたっぷり注ぎ込む。
 2穴式のタイプだと、尻穴はあんまリアルじゃねぇことも多いけど、「レン」はさすが尻の造形にこだわってるだけあって、入り口のしわまで繊細だ。
 何度突っ込んでもキレイな穴。指を入れてほぐす内に、ちらりと見えるピンクの肉。
 体温はねーし、洗わなきゃいけねーし、結局はオナホでしかねーんだけど、でも、オレのだと思うと情も沸く。
 ぐっと中に挿入すると、「ああっ」って声も聞こえる気がして、毎晩の儀式がすげー楽しい。
 手で抜いてた時は、「日課の3分」呼ばわりしてたけど、今はとても3分じゃ勿体なくて終われねぇ。
 ギシギシとベッドを鳴らし、「レン」の尻を突き上げる。

「レン、レン……」
 名前を呼び、腰を揺らす。
 焦らすように浅いトコで抜き差ししたり、奥の奥まで貫いたり。柔らかな尻を叩き、細い腰を抱え込み、ガツガツとむさぼったり。何をしても気持ちよくて、ハマらずにはいられねぇ。
 行為の後、シャワーで中を洗ってやるのも忘れねぇ。
 慎ましい穴からオレの白濁がローションと共に流れ出る様子は、すげー扇情的でたまんなかった。
 据え置き型の利点は、やっぱ大型だけに、長持ちするってとこだろう。
 初期投資は高いけど、コストパフォーマンスはかなりイイ。
 使ってる内にこなれてくるし、中の具合も分かって来て、愛着もわいてくる。
「ああ、レン、可愛いな……」
 何度触っても、ぷりぷりの尻は相変わらずでオレの手のひらを和ませる。

 今はもう、引き延ばした写真も必要ねぇ。
 オナホのレンは、オレの「レン」。頭に浮かぶのは、やっぱり片思いしてる三橋の顔だったけど、「レン」自体、可愛くて可愛くて仕方なかった。

 そんな風に大事に、可愛がったからだろうか?
 ある日、いつものようにベッドの上で可愛がってると、『ああんっ』って喘ぎ声が頭ん中に響いて来た。
 最初あんま気にしなかったのは、それが三橋の声だったからだ。
 何しろ片思い歴は長ぇ。三橋のイキ声を妄想すんのなんてしょっちゅうだったし、常々こうやって尻に突っ込み、啼かせてぇって思ってた。
『ああ、あんっ、阿部君っ』
 三橋の善がり声を脳内で堪能しながら、もっと聞きたくて腰の動きを早くする。
『ふあ、待って、ああっ、早っ』
 ギシギシ鳴るベッド、ぐちゅぐちゅ聞こえるローションの水音。脳内の声もどんどん高くなり、自分の想像力にちょっと笑える。

「はっ、レン……!」
 細い腰を掴み、強く突き込むと、柔らかな尻が腹に当たって、パンパン音を響かせた。
『しゅき、しゅき、もっと、もっとっ』
 舌足らずな声にせがまれて、「いいぜ」と苦笑して「レン」を抱く。

 それが幻聴じゃねぇと悟ったのは、透き通った白い腕にふわっと抱き着かれた時だった。
『阿部君、好き……!』
 三橋にそっくりな声で、耳元に囁かれてギョッとする。
 幻覚はすぐに消え、幻聴も聞こえなくなったけど、代わりにちびっこい三橋が素っ裸で現われて、『阿部君』ってオレに話しかけた。

 据え置き型1穴式オナホール「レン」。それに付喪神が宿ったのは、「レン」を可愛がり初めて1000回目のことだった。

(続く)

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