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三橋君と濡れた白衣
 練習試合の会場へは、阿部さんと一緒に電車で行った。
 阿部さんが初めてオレの試合見に来てくれた、あのグラウンドだ。
 相手校のグラウンドだから、そんなに何度も使う訳じゃないんだけど、阿部さんはしっかり覚えてたみたい。
「ああ、ここ、懐かしいな」
 何かを思い出すように、ふふっと笑ってる。阿部さん、機嫌よさそうだ。

 そりゃ、昨日たっぷり楽しんだんだから、機嫌よくないと困る、よね。
 バスルームで。濡れた白衣着せられて。阿部さんが満足するまでフェラさせられて、オレ、すごく大変だった。
 自分の勃起したのは自分で根元を握らされて、その上で恋人のにご奉仕するなんて、すごく理不尽だったと思う。
 でも、えっちできないのはオレの試合のせい、だし……。
 恋人の家にお泊りに来て、えっち禁止なのってやっぱり不自然なの、かな?

 オレの白衣が冷えて来るたび、上からお湯をかけてくれたんだけど、それも阿部さんは楽しんでた。
「いー眺めだな」
 って。何度も言われた。
 濡れた白衣が肌にぴったりくっついて、肌色が透けてて、すごくエロいって。
 でも、オレは阿部さんの巨きいのをご奉仕するので精一杯で、返事なんかできなかった。
 口いっぱいに頬張って、ちゅうっと吸いながら前後させたり。根本を指先でこすりながら、竿の裏を舐め上げたり。
 亀頭の先端の柔らかいところをベロベロ舐め回したり。
 時々、「はっ……」って阿部さんが気持ちよさそうに息を吐いたり、「いーぞ」って言ってくれたりすると、嬉しくてドキドキした。

 その内、ぐいっと髪を掴まれて、顔を離された。
 あっと思った次の瞬間、びしゅって阿部さんが射精したから、顔にも白衣にもかかっちゃった。
 飲んでもよかった、のに。
 そう言うと、「いーんだよ、今日はコレで」って阿部さんは満足そうだった。
「スゲー倒錯的だぞ、三橋。写真撮りてーくらい」
 くくっと笑われて、カーッと顔が熱くなった。写真、とか。ホントに撮られそうで怖い。

 その後は、「次はお前の番な」って湯船のふちに座らされて、同じくフェラをして貰った。白衣着たままで。
 白衣のボタンは3つしかないんだけど、それをわざわざ全部とめて。それで、前のスリットを大きく分けて、オレの勃起したのをそこから出させて――。
「いいな」
 阿部さんはそう言ってたけど、今思うとスゴク恥ずかしい格好だったと思う。
 でも、その時にはのぼせ半分でぼーっとしてたし、鏡を見てた訳じゃないから、気付かなかった。
 それより、お預けされっぱなしだったのを、早く解放したかった。

 長持ちしないだろうなって、自分でも分かってたけど、すぐだったと思う。
 それともやっぱり、阿部さんが上手なのかな?
 あっという間にイカされて、1回しか射精してないのに、お風呂から出た時はもうオレ、ぐったりになってた。
 腕枕して貰って目を閉じて――心臓の音を聞いてる内に、気が付いたら朝になってて意外だった。
 阿部さんと一緒に寝る方が、1人よりぐっすり眠れる気がするのは何でだろう?
 もし、一緒に住み始めたら、いつもこんな感じの朝になるのかな?
 そうだと嬉しいし、楽しみだな――って、まだまだ先のことだけど、ちょっと思った。


 グラウンドに着いたら、花井君はもう先に来てアップを始めてた。すぐにオレ達に気付いたみたいで、アップを中断してこっちにタタッと駆けて来る。
「ちわっ」
 キャップを脱いで、花井君がぺこっと阿部さんに挨拶する。
 前までは、遠くから大声で言ってた気がするけど、そうしないのは注目を浴びせない為、かな?
「じゃ、じゃあ、後、で」
 オレは阿部さんにそう言って、ベンチの方に向かった。
「おー。見てるから、しっかりな」
 阿部さんに言われて、ふにゃっと笑う。やっぱり、好きな人に見てて貰えるって思うと気合入る。

 笑顔のままでベンチに行くと、「ちわっ」って、後輩に口々に挨拶された。
「みんな早い、な」
 スポーツバッグを降ろしながら言うと、今年入ったばかりの1年生捕手が、笑顔で返事した。
「当然ッスよ! 入学して初めての試合なんスから!」
 その言葉に、みんな笑顔でうなずいてる。
 うわ、スゴイやる気だなぁって、そういうの見たらちょっと嬉しい。
 うちは公式試合なんて出られないし、初心者もいるし、ほとんどサークルと変わらない程度の部活だけど。でも、やっぱり野球好きな人が集まってるなって感じする。

 後輩たちがアップしに行った後、ベンチで着替えようと上着を脱いでると、花井君がサッと寄って来た。
「おっ、今日は着て来てんだな」
 感心したように言われると、ちょっと嬉しい。
 といっても、そうするようにって提案したのは阿部さんだ、けど。
「あんまホイホイ誰にでも肌を見せんな」
 って。
 そんなの気にし過ぎだと思うんだけど、うっかり口答えして、お返しに首筋にキスマークとかつけられても困るから、言えなかった。

「き、今日はキスマーク、ついてない、ぞ」
 自慢げに言うと、「今日はな」って、花井君はあからさまにため息をついた。

(続く)

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