拍手Log 三橋君とご休憩 (R18) ナビに道案内を任せる辺り、阿部さん、よっぽど限界だったのかも知れない。 判断力がいつもより落ちてるっていうか……そんな状態で運転するくらいなら、コンビニの駐車場で仮眠すればいいと思うんだけど。 「ベッドで寝てぇ」 そう言われると、やっぱりラブホしかない、かも? 時間のせいかガラガラの駐車場に車を置いて、駐車場口からロビーに入る。 部屋もガラガラらしくて、選び放題だった。 ただ、阿部さんはそういうの選んでる気力もないみたいで、「ワリー、任せる」ってオレに言って、立ったまま目をつむってた。 「う、え」 任せるって言われても困る、よね。 2つのうちどっちか、っていうなら選びやすいけど、いっぱいある内の1つって選びにくい。 和室じゃなくて洋室で……結局、できるだけ落ち着いた感じのシンプルな部屋を選んで、鍵を受け取った。 部屋に着くなり、阿部さんはベッドにダイブするように横になった。 「ワリー、寝かせてくれ」 って。 ほとんど寝てないし、夜通しその……運動、してた訳だし、疲れてるの当たり前、だよね。 『当分勃ちそうにねーわ』 温泉施設で言われたセリフを思い出す。 間もなく阿部さんはすーっと寝入っちゃって。それを見てる内にオレも眠くなったから、一緒に寝ることにした。 お風呂入りたいな、って思ったけど、ちょっと寝てからの方がいいかも知れない。 そもそもお湯が溜まるまで、待てそうにない、し。 「寝てからに、しよ」 ケータイのアラームを2時間後にセットして、阿部さんの隣に潜り込む。 そしたら無意識なのかな、阿部さんがもぞもぞ動いて、オレを抱き込むように腕枕してくれた。 あの怪しいカプセル剤のせいで、散々な目にあった週末だったけど。こんな風に穏やかに寝ることができるなら、結果オーライかな、ってちょっと思った。 一晩中えっちしてたから、かな? 阿部さんの夢を見た。 雲の上みたいなふわふわの部屋で、いっぱいキスして、えっちしてる夢。 阿部さんのすべらかな肌に抱かれて、温かくて幸せだ。 乳首をべろっと舐められて、夢の中なのにくすぐったくて、気持ちよくて笑顔になる。 「やっ、んん」 思わず声をあげると、『イイ声』って阿部さんが言った。 気持ちイイ愛撫が遠のいて、名残惜しくて「もっと」ってねだったら嬉しそうに笑われた。 ちゅっとキスされる。 「寝てる時は素直だな」 って。言われて恥ずかしくて、夢の中なのにカーッと頬が熱くなった。 「阿、部さん……」 名前を呼んで手を伸ばすと、ぎゅっと抱き締められる。 大きくて温かくて、たくましい胸。太くて力強い腕に囲まれて、目を閉じたまま擦り寄った。 いつの間にかオレは、大きく脚を開かされていて、慣れた指で穴の中を探られていた。 あれ? オレ、いつの間に服を脱いだんだっけ? あ、でも、夢だから不思議じゃないのかな? 阿部さんの指はゆっくりゆっくりオレのなかで動いて、穴を丁寧に拡げてく。 夢なのに感覚がリアルで、でもふわふわしてて、不思議な感じ。 気持ちイイ。 『三橋? まだ寝てんのか?』 阿部さんが夢の中でオレに訊く。 訊きながら中のイイトコを指で掠められ、「ふあっ」と甘えた声が出た。 『起きてんの? 寝てんの?』 楽しそうな阿部さんの声。ふふっと穏やかな笑い声が聞こえる。 太ももの内側をぞろりと撫でて、阿部さんが言った。 『起きねーと、寝たまま犯すぞ』 「あっ……んん」 生々しい快感。 夢の中なのに、オレの脚を押し開いてる、阿部さんの手の感触も生々しかった。 生々しかったけど、夢だと思ってた。 でも――。 ぐっ、と堅くて熱いモノが後腔に入って来て、ハッと目が覚めた。 「あっ!」 閉じてた目を見開いて、目の前の体にしがみ付く。と同時に、思った通りのモノが一気にオレの奥まで入って来た。 「あああーっ、んんーっ」 声を上げて爪を立てて、貫かれた衝撃をやり過ごす。 息もできないでいるのに、唇が塞がれた。そのまま、ゆっくりと揺すられる。 「あっ、あ、夢……? ふあっ」 ふわふわする。でも、快感は本物だ。意味が分からない。どこまでが夢で、どこからが現実? 「やっぱ寝てたか」 阿部さんがオレを攻めながら、ふふっと笑った。 寝てるところ襲われたみたい。っていうか、オレ、いつの間にか服も全部脱がされてる。 えっちしてる夢見てたの、あれ、もしかして寝ぼけてただけ、なの、か? 「誰の夢見てた?」 阿部さんが、のどの奥で笑いながら訊いて来た。 そんなの、言わなくても分かってるくせに。 「『もっと』つってたぞ?」 ふふっと笑われて、カーッと顔が熱くなる。 一晩中擦られ続けたオレの中が、阿部さんを深く迎え入れて締め付けてる。 気持ちイイ。 熱い。 体の奥から、何かがくわっと込み上げて来る。 「あっ、もうっ出ない、のにっ。……あっ、あああ――っ!」 叫ぶと同時にびくんびくんと全身が跳ねて、オレはたまらず、阿部さんの背に爪を立てた。 昨日から搾り尽くされた精液は――1滴たりとも出なかった。 (続く) [*前へ][次へ#] |