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三橋君とエンドレス (R18)
「何が違ぇーんだよ?」
 阿部さんが、訊きながらオレの頬をべろっと舐めた。
 ずっと動きっぱなしだった阿部さん程じゃない、けど、オレもやっぱり汗まみれ、で。
 なのに、それを気にする風もなく、阿部さんがオレの顔や首をべろりべろりと舐めて来る。
「あ、の、浮気、じゃない、ですっ」
 目を閉じてそう言うと、「へぇ」って相槌を打ちながら、まぶたの上も舐められた。
 眉間に舌を這わされて、ぞくっとする。

 体を震わせると中も震えて、そのせいで奥深くに打ち込まれた肉杭が存在感を増した。
「ひぁっ」
 悲鳴じみた声が、細く漏れる。けど、阿部さんはそんなことくらいじゃ許してくれない。
「浮気じゃねーなら、何してた?」
 って。対面座位でオレを下から貫いたまま、からかうように膝を揺する。
 そのたびに中をこすられて、穴の方からぐちっと濡れた音が響く。
「あ、……うんっ、と、さっき、女の子2人連れ、に……」
 オレは喘ぎ声を大きくしないよう、必死に声を抑えながら、潔白を説明しようと頑張った。
 ただ、店に案内しようとしただけなんだ、って。

「……へぇ、つまり逆ナンされた、ってことだな?」
 阿部さんは見透かしたようにオレを見ると、そのまま自分だけゴロンと仰向けに寝転がった。
 オレは阿部さんに串刺しにされたまま、騎乗位の格好で取り残される。
「うあっ」
 とっさに目の前の胸に手を突くと――阿部さんは頭の下で手を組んで、オレを見上げてニヤッと笑った。
 でも、目が笑ってない。
「おら、動きながら説明、しろっ」
 そう言いながら、下からぐいっと突き上げてくる。

 深く埋まった肉の杭が、オレの奥をぐりっとえぐる。
「んんっ」
 オレは息を詰め、悲鳴を必死で我慢した。

 動けって、えと、このまま騎乗位でってこと、だよ、ね?
 そりゃ勿論、初めてじゃない、けど……この位置から顔を見られるのは、ちょっと苦手、だ。
 じわっと顔が熱くなる。
 阿部さんの厚い胸に手を突いたまま、恐る恐る腰を浮かす。
「ふ、あっ……」
 ずるっと太いモノが抜けていく感覚は、ゆっくりだと余計クリアで、我慢しても声が出た。
 それをまた、ゆっくりと腰を落として自分で胎内に埋めていく。

「くっ……はっ」
 声を我慢しながら抜き埋めを繰り返してると、阿部さんに声をかけられた。
「口が留守だぞ」
 って。
 一瞬フェラかと思ったけど、違った。
 阿部さんのはオレの中にあるのに。自分でも恥ずかしい間違いだ。

 うわ、と思って口元に手を当てると、からかうように叱られる。
「ほら、浮気じゃねーって弁解するんだろ? それとも浴衣美人にふらっとしたか?」
「してま、せん」
 上ずった声で即答すると、「じゃあ続けろ」って言われた。
 動きながら、快感に震えながら、喘がないように我慢しながら喋るの、結構ツライ。
「お、店の前まで、ぁあっ、んない、して……っ」
 案内して――と、そこで思考が途切れる。
 次の言葉が浮かばない。

 オレ、ただでさえ器用な方じゃないのに。えっちしながら考えるのなんて、とても無理だ。
 でも、阿部さんは許してくれそうにない。
「案内して、それで?」
 って、話の続きを促される。考えをまとめる余裕もなくて。
「うあ……」
「動き、止まってんぞ」
 そんな意地悪なセリフとともに、下から揺すられて思わず「んんんっ」と悲鳴が漏れた。

 オレは必死に考えをまとめながら、すっごい長い時間をかけて、浴衣の女の子2人に両腕を取られ、店に連れ込まれた話をした。
 阿部さんが納得してくれたのかどうか、よく分かんない。
 もう、恥ずかしくて顔が見られない。
 オレに埋められてる阿部さんのはまだ硬くて、太くて。腰を動かすたびに、内壁を容赦なくこすられる。
 主導権はオレにあるハズなのに、喘いでるのも余裕がないのも、オレだけでなんかズルイ。

 ずちゅ、ぬちゅ、と湿った音が続く。
 声を懸命にこらえてる顔、下からじっと見られてるの分かる。
「三橋……」
 阿部さんがふふっと笑った。
 その口調がちょっと優しくて、ドキッとした。
 浮気なんてしてないし、阿部さんだって最初から分かってたと思うけど。でも、信じて貰えたのかなって期待した。もう許して貰えるかな、って。
 けど――。

「いい眺めだな」
 阿部さんから貰えたのは、そんなセリフだった。
 ふふっと、また笑われる。
 カーッと顔を熱くしてると、ずっと寝そべってた阿部さんが、腹筋の要領で起き上がった。
 と、そのせいで中の肉杭がぐりっと動いて、オレの口から悲鳴が漏れる。
「んあっ」
「いい声」
 耳元で笑う阿部さん。そっちこそいい声、で。
 気を取られた瞬間、腰をガッと掴まれた。

 ちゅっとキスされる。
「ほら、まだ動き、止めていーって言ってねーぞ?」
 そんな意地悪なセリフの後は、深いキス。阿部さんの呼吸は、休んだせいか穏やかになったみたい。
 その分、キスが長くて深くて、いつもよりたくさん空気を奪われた。
「ん、ふぁ、あ……」
 阿部さん、って名前を呼ぶ前に、またキスされる。
 舌を深く差し込まれ、絡められて、目を閉じると――ギュッと抱き締められ、そのまま布団に押し倒された。

「ふあっ」
 ほどけたキスの合間から喘ぎ、咄嗟にぱちっと目を開ける。
 そしたら、目の前には阿部さんの格好いい顔があって。ニヤッと笑いながら、オレを上から見つめてた。
「じゃあ、今度はオレの番な」
 言うが早いか、強くガクンと突き上げられる。
 強く、早く、ガクガクと揺すられて、でも声を上げる訳にはいかなくて。なのに、阿部さんはやっぱり射精できないままらしくて――。

「てめぇ、寝かさねーぞ」
 繋がったまま、きっぱりと宣言されてゾッとする。
 えっちに終わりが見えないのが、こんなに怖いなんて思ってもみなかった。

(続く)

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