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Season企画小説
夢幻・3 (R18)
 およそ2ヶ月ぶりに触れた肌は、記憶の通り瑞々しくてすべらかだった。小柄で細身、けど何時間も集中して絵筆を持てるタフさを内に潜めてて、しなやかでキレイだ。
 猛暑の中、あまりの暑さに現実逃避しながらやってたボディペインティングの痕もねぇ。今となっては笑い話だけど、あん時は掃除が大変だった。
 青や黄緑に彩られてた半裸も悪くなかったけど、やっぱ生まれたままの、この白くて無垢な肌の方が好きだ。
 絵具で花を描くより、オレのキスマークで彩りてぇ。
「三橋……」
 手のひらに吸い付くような肌の触り心地を確かめながら、胸や腹に手を這わす。
 誘うように色付いた乳輪を舐めると、「あ……」って甘い声が上がるのがイイ。柔らかな乳首がそのうち小さくとがって来て、オレの舌を喜ばせる。
 横腹を撫でると、びくびく可愛く震える体。
「は、あ……」
 愛撫される気持ちよさに、細い体をくねらせる姿。
 上気した頬も、潤んでオレを見つめる瞳も、半開きになった唇も、何もかも扇情的で色っぽい。

 太ももに手を触れると、誘うように自分で脚を開いて来る。三橋の股間はとうに色付いてそそり立ってて、とろりと濡れ始めてた。
「あ、べ君……」
 艶やかな唇がオレの名を呼び、細い両腕が誘うように伸ばされる。
 オレだけが一方的に好きなんじゃねぇって、確信する瞬間。誘われるままキスして舌を絡め、甘い吐息と唾液を味わう。
 尻を撫でると「ん……」って小さくうめくのが可愛い。
 その奥に潜む穴はひくひくと震えてて、オレの指に拓かれるのを待ち望んでる。いや、きっともっと太いモノに貫かれんのを望んでる。
 望まれりゃ、それに喜んで応えるまでだ。
 ローションをまとわせた指をつぼみに沈め、ソコを遠慮なくぐいぐいと拓く。以前、散々愛して柔らかくさせてた三橋の穴は、2ヶ月足らずの避暑を経て、すっかり慎ましく閉じていた。
「ここ、固くなっちまったな」
 くくっと笑いながら指を動かし、熱い粘膜を拓かせる。
 粘膜の肉ヒダがうねうね動き、オレの指にまといつく。

「自分で触ったりしなかったの?」
 オレの意地悪な質問に、「し、ない」って上擦った声で答える三橋。指を増やすと、その唇から洩れる声が更に甘くなり、白い脚が更に開く。
 自分の格好がどんなに扇情的でエロいか、三橋は分かってんだろうか。淫らで、明らかに男を誘ってて、たまんねぇ気持ちにさせられる。
「あ……っ、だって……」
 甘い呻き、びくんと跳ねる腰。白く反らされたノドにぷっくり浮かぶノド仏。そのふくらみがまた可愛くて、どうしてくれようかと思った。
「だって、何?」
 冷静を必死に装い、中を拓く指を増やす。
 くちくちと鳴るローションの音がヤベェ。とろりと垂れる透明な液が、熱い粘膜になじんでく。
「だっ、て、あ、阿部君、に……」
 ぎゅっと目を閉じて、上擦った声でとつとつと語る恋人を見る。
「オレに何?」
 穴を拓きながらの睦言。情欲の混じった声を聞かされるだけでもオレには十分だったけど――。

「阿部君に、して欲し……」
 艶を増した声で可愛くそんな風にねだられれば、冷静をこれ以上装い続けんのは無理だった。

 丁寧に中を拓こうとしてた指を、一気に引き抜いてヒザを割る。
「ふあ……」
 うめき声と共に、びくんと跳ねる腰。その腰を両手で鷲掴み、そそり立った剛直を緩めた穴に強く宛がう。
「あっ」
 三橋のデカい目が開かれて、オレを見た。怯えと期待と悦びと、いくつもの色んな感情がその目には宿ってて、まるで三橋の描く絵のようにキレイだ。
 欲望の赴くままに貫いて、「ああっ」と上がる悲鳴を聞く。
「三橋っ」
 愛を込めて名を呼び抱き締めると、また更に「ああっ」と嬉しげな声が上がって、三橋からもぎゅっと抱き締められた。
「あっ、好きっ、ああっ」
 奥までオレに穿たれながら、三橋が甘い声で喘ぐ。
「オレも」
 素直に答えて抱き竦め、唇を重ねて舌を交わす。
 キスを続けながら揺さぶりを始めると、「ん、ん」と漏れる小さな声。背中に回された手に強くしがみ付かれて、オレの感情も高くなる。

 この2ヶ月足らずの間、三橋を想わねぇ日はなかった。
 秘書としての仕事も大事だから、恋人の避暑に付いてく真似はできなかったけど、そんでも心は常に一緒だったと思いてぇ。
 愛してるとか、そんな月並みな言葉で表現できねぇような想い。
 今は確かにこの腕の中にいるのに、そんでもいつの間にかスルリとここから抜け出して、白いキャンバスの前に立っちまうんじゃねーかと思う。
 いつもマイペースで自由で、だからこそ愛おしい。
 オレの下であんあんと喘ぐ恋人としての姿も、真剣に絵筆を握る画家としての姿も、どっちも三橋でどっちも好きだ。
「あっ、あっ、ダメ……」
 甘えた声で啼きながら、三橋がゆるく首を振る。
 少し伸びた柔らかな髪がぱさぱさと白いシーツの上に散る。
 容赦なく突き揺すりながら、オレは三橋の首元を舐めた。首筋に舌を這わし、耳元を舐め上げると、白い背中が快感に反る。
「あ、ダメ、ってっ」
「イイの間違いだろ」

 オレから逃げるように反らされる胸には、既に唇の痕が2つ3つ色付いてた。
 青や黄緑の点描もいいけど、やっぱ三橋の白い肌には、赤いキスマークの方が似合う。
「あああん」
 高く啼きながら身をよじり、三橋が更に声を上げる。
 白い体はうっすらと汗ばんで、たまんねぇ芳香を上げてるようだ。愛おしさが湧き上がり、もう離したくねぇって気持ちがぐわっと高まる。
 何もかも混じり合うような、どうしようもねぇ快感。
 もっともっと欲しい。全部丸ごとオレのモノにしてぇ。オレのモノだって、全てに知らしめる印を付けてぇ。オレの全部を刻みてぇ。
「三橋、三橋っ」
 感情の高まる中、更にずんっと奥を突き上げると、三橋は「ああっ」と高く啼いて、互いの腹の間に白濁を散らした。

(続く)

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