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Season企画小説
Please try again・8 (R15)
 ローションは通学に使ってるエナメルバッグの中だって言うと、阿部君はちょっと呆れてた。
「お前……どこに入れてんだよ」
「う、だって……」
 言い訳しながら目を逸らし、じわーっと顔を熱くする。
 素っ裸だし、えっちしてとも言ったし、これ以上恥ずかしい事ないと思ったけど、そうでもなかったみたい。恥ずかしい。
 でも、いつそういう状況になるか分かんないし、その時に「ローションないから今度な」なんて言われたくなかった。
「い、いつ、でも、できるよう、に」
 ごにょごにょと言い訳するオレをベッドの上に座らせて、阿部君がエナメルバッグを持って来る。
 毎日持ち歩いてたから、ぴっちりしてたビニールの梱包はちょっとほころびかけてたけど、どうせ剥がすんだから問題ない。
 実際阿部君も、それ以上何も言わなかった。思い切りよく梱包を引き剥がし、ボトルのふたをパカッと開けた。

 ふわっと香る、甘ったるい人口のニオイ。
 誘われるままベッドの真ん中に寝かされて、さっき床に落としたバスタオルを下に敷かれる。
 汚れてもいいようにか? と、考える間もなく温かい手のひらが胸に這わされ、「冷えてんな」って呟かれた。
 オレの体が冷えてんのか、阿部君の手が温くなったのか、自分じゃよく分かんない。ただ手のひらの体温がすごく気持ちよくて、触れられる度にビクッとする。
「は……っ」
 気持ちよさに息を吐いて、オレに触れる阿部君を見上げる。
「温め、て」
 こそっと小声でねだると、阿部君はふっと笑って、オレに覆い被さって来た。

 仰向けに寝かされたまま、腕を回されてぎゅっと強く抱き締められる。
 布越しの体温が温かい。
 思わずうっとりため息をつくと、耳元でふふっと笑われた。そのまま肩を撫でられ背中を撫でられ、腰からお尻を撫でられる。
 ゆっくり離れてく阿部君を寂しいと思う暇もない。身を起こした阿部君はそのままお尻を軽く揉んで、お尻の谷間に指を這わせた。
「ふあっ」
 思わぬ刺激に反応し、びくっと腰が浮き上がる。
 イタズラな指はつぼみを軽くくすぐって、今度は太ももをゆっくり撫でた。閉じてた足が自然と緩み、ヒザを軽く立ててシーツを蹴る。
 はっ、と息を詰めると、「気持ちイイ?」って訊かれた。
 返事するような余裕はなかったけど、正直にこくこくうなずいて、恥ずかしさと快感に耐え、目を閉じる。
 自分がとっくに勃起してるの、目で確認しなくても分かった。
 ぐりっと太ももにスラックスの股間を押し付けられ、阿部君も一緒だって分かって嬉しい。

「阿部君も、脱い、で」
「後でな」
 オレの願いをあっさりと断り、今度はオレの片足を持ち上げる阿部君。
 思わず手をついて身を起こすと、すっごく優しい顔で、オレのヒザにキスするのが見えた。
 ついでにヒザ裏を撫で上げられ、「や……っ」とうめく。
 無意識にビクッと浮き上がるヒザ。ヒザ裏を撫でてた手が、次にふくらはぎに這わされて、同時にスネに頬ずりされる。
 ちゅっと足の甲にキスされて、ぼんっと顔が熱くなった。
「あ、はっ、恥ずか、しい」
 赤面しながら顔を背けると、「何言ってんだ」って笑われる。そりゃ、自分から全裸になっておいて何言ってんんだって感じかも知れないけど、恥ずかしいのは恥ずかしい。
「ずっとこうしたかった」
 って、苦笑しながら言われると、「ダメ」とも言いにくい。

「オレも、ずっと我慢してた。っつーか、我慢しねーと、って自分で勝手に思い込んでた」
 抱えてた足をヒザのとこで押し曲げて、阿部君が再び身を寄せる。
 押し広げられて恥ずかしいとこ丸出しにされて、ますます顔が熱くなった。
 我慢してたって言われると、なんとなく嬉しい。
 ホントは我慢なんかして欲しくなかったけど、「別に我慢してない」なんて言われるよりマシだ。
「我、慢、なんて、しなっ、くて、も」
 しどろもどろに答えながら、両手でそっと股間を隠す。先端はもう先走りで濡れてて、それが丸出しなのも恥ずかしかった。
「そーだな、怖かっただけかも」
 苦笑しながらキスされ、何も答えられないまま肉厚の舌を受け入れる。
 阿部君が怖いって思うのって、何だろう? オレに痛みを与える事? それとも2回目も失敗することかな?

「オレは、怖くない、よっ」
 キスの後、阿部君の首元に腕を回しながら、整った顔を覗き込む。
「阿部君、と、一緒なら、怖く、ない」
「レン……」
 赤面しながらキッパリ告げるオレに、苦笑する阿部君。
 彼は再びオレをベッドの上に押し倒し、甘いニオイのローションを左の手のひらにとろりと垂らした。

 ああ、準備だ……って悟って、心臓のドキドキが強くなる。
 片ヒザを立てさせられ、丸見えになったつぼみを指先でつつかれ、くすぐられる。
 さっき自分の指でもちょっと中に触れたのに。阿部君の指は自分のそれとは違って、固くて大きくて異物感がスゴイ。
「ん……は……っ」
 懸命に呼吸を続けながら、彼の指の感触を追う。
 ぎゅっと目を閉じて、ドキドキしながら身を任せてると、不意に勃ったままだった陰茎を掴まれ、軽く上下にしごかれた。

 後腔に感じてた異物感が、一気に全部吹き飛ぶような快感。
「ふあっ、やっ、待ってっ」
 本気で焦りながら腰を浮かすけど、ぬるぬるの手で緩くしごくのやめて貰えない。
「イクとこ見せて」
 こそりと言われたけど、その意味すら考える余裕もなくて、あっという間に追い込まれ、射精感に身をよじった。
「やっ、あっ……!」
 切羽詰まった声だと、自分でも思った。
 顔を見られてるの分かったけど、分かったからってどうしようもない。ゆっくりだった手の動きが、いつの間にか早くなり、刺激が強くなる。
 竿も亀頭も、ぬるぬるの手に愛撫されて、悲鳴が漏れる。

「阿部君っ」
 射精した瞬間彼を呼ぶと、阿部君は「イッたな」って、満足そうに笑みを浮かべた。

(続く)

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あきゅろす。
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