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Season企画小説
しりあい恋愛・6 (フェラあり)
 まさかとは思ったけど期待通り、着いた先は三橋さんの住むマンションだった。
 そこらの知り合いが住んでるような普通のマンションじゃねぇことは、セキュリティの高さからも伺える。
「せ、狭い、けど」
 謙遜か何かよく分かんねぇセリフを聞きながら、案内されるまま玄関に足を踏み入れる。1LDKだっつーけど、そのリビングがハンパなく広い。
 ダイニングテーブルの上には幾つか料理が並んでて、そういやメシ食うなつってたっけって思い出した。
 てっきりいつものホテルのいつものルームサービスだと思ってたから、期待してなかった分動揺する。もしかして、手料理? いや、それともケータリングとか?
 あれこれ考え込んでると、尻肉をむにっと掴まれた。
 ささやかな感動が台無しだ。けどオレが冷たい目を向けても、三橋さんは相変わらず機嫌良さそうで、にへっと笑いながら「肉っ」って言った。
「尻肉がどうかしたんスか?」
 そう言ったら、「違うよ、ヒレだよっ」って。

「肉、さ。まだ、室温になってない、んだ、けど、もうちょっと、待てる?」
「室温?」
 何のことかさっぱり分かんなくて訊き返すと、どうやらステーキ肉の話らしい。
 ステーキを美味く焼くためには、肉を室温に戻しておくのがいいんだとか。そんな話を聞いたのは初めてで、「へー」とうなずく。
 ステーキか、って思うと嬉しい。焼き加減がどうって、確実に自分で焼くつもりだと分かって、再びじわっと感動した。
 ちらっとキッチンに目をやると、作業台には確かにデカい生肉が2つ、デーンと置いてあって期待が高まる。
 まあ、話してる間中、ずっと尻肉をもみもみされてて雰囲気は台無しだったけど、それでこそ三橋さんだって感じもした。

「別に、まだ腹すいてねーっスけど」
 正直にそう言うと、「ホント?」って笑みを向けられる。
「じゃ、じゃあ、待ってる間、お尻」
 って。結局それかよと思うけど、デカい目をキラーンとさせながらお願いされると「No」とは言えねぇ。
 ベッドルームじゃなく、リビングのソファを指定されて、セックスになだれ込まねぇ牽制かなって、ちょっと思った。
「はあ、お尻……」
 綿パンの上から尻を揉まれ、いつものように頬ずりをされる。
「もうオレ、このお尻があったら、何もいら、ない」
 って。すげー残念な発言に聞こえて、大丈夫かって苦笑する。やっぱ日頃、ストレスすげーのかな? つーか、こんな人が取締役の1人って、ミホシ大丈夫か?

「はいはい」
 うつ伏せの状態で適当に返事したら、「ホント、だよっ」って力説された。
「はあ、もう、好き……」
 うっとりした声で撫でられ、揉まれ、顔を押し付けられてふごふごされる。一通り満足したら、「さあ」ってベルトを外すよう言われ、綿パンを脱がされて……それもいつもの通りだった。
「うお、新しい下着、だね」
 そんなヘンタイめいたことを言いながら、さっそく尻に顔を埋める三橋さん。
「んなこと分かるんスか?」
「分かる。それに、お風呂、入って来た、でしょ?」
 確かにその通りで、ちょっと怖ぇ。下着の新しいのは分かるとしても、風呂が分かるってどうなんだ?
 そうこうしてる内にその下着もべろんとめくられ、尻が勝手に丸出しにされる。

「お尻、いいねー」
 感触を楽しむように、オレの尻たぶを揉む尻フェチ。ちゅっとキスして撫で回し、べろっと舐めて揉みまくり、「好き好き」言いながら甘噛みしてくんのもいつものことだ。
 そんな残念な刺激を受け、オレの股間が反応してくんのもいつものこと。
 けど、今日ばかりはいつも通り、三橋さんを押し倒す流れにはなんなかった。
「そろそろいーっスか?」
 むくっと身を起こして告げると、「何、が?」ってうひっと笑いながら訊かれた。
「に、肉? 様子見て、みる?」
 って。そっちじゃねーの分かってるくせに、相変わらずタチ悪ぃ。
 ほんのり上気した白い顔、オレの尻を堪能し、すっかり満足そうに緩んだ口元は相変わらず無防備でエロい。
 今日は私服のせいか、スーツ脱ぐみてーにセーターまで脱いではなかったけど、振り向くと間近に顔があって、不覚にもドキッとした。

 いつものようにベッドじゃなくて、ソファの横に膝立ちしてたせいだろう。
 一瞬の隙をついたように、顔を寄せられてちゅっとキスされる。
 三橋さんからのキスはもしかしなくても初めてで、正直に言うと動揺した。勝ち誇ったように笑みを向けられ、肩を押されて座らされる。
 尻だけ半脱ぎにされたボクサーを、前の方もべろんと引き降ろされ、股間に頭を伏せられて――あっ、と思った時には、熱い粘膜ん中に包まれてた。
 ちゅうっと吸い付かれて、「ちょっ!」と焦る。
 オレが三橋さんのを好きにすることはあっても、彼からは今までなかった。
「ら、らって、しぇきにん、ほらないほ」
 って。しゃぶりながら喋んじゃねぇっつの。
 三橋さん以外を知らねぇオレは、当然フェラなんかされんのも初めてで、未知の快感に翻弄される。
 上手いか下手かとか、そんなの分かる訳もねぇ。
 柔らかな彼の髪を引っ掴み、与えられる快感に耐える。あっという間に射精させられ、それをちゅうちょなく呑み込まれた時にはさすがに顔が熱くなった。

「ホントに、甘い、ね」
 べろっと舌なめずりされながら言われて、「は……」とソファに脱力する。三橋さんのをフェラした時、同じように呑み込んで「甘ぇ」とか言ったの覚えてたんだろうか?
 ぼうっとしてると、再びちゅっとキスされた。
 舌を絡めるようなキスじゃねぇ。けど、自分の出したのを呑まれた後で、ディープキスしたい訳でもねぇ。
「肉、焼こう、か」
 にへっとした笑みを残し、すくっと立ちあがる三橋さん。
 たたっとダイニングに向かう背中を見送って、のろのろと腰を上げ、下着と綿パンをはき直す。
 オレのターンが始まんねぇ。
 驚くことばっかで、ペースを崩されてぶんぶんと振り回される。
 でも、それを悪くねぇと感じてんだから、惹かれんのはもう、どうしようもなかった。

(続く)

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