[携帯モード] [URL送信]

Season企画小説
しりあい恋愛・3 (前戯描写あり)
 そんな感じで、三橋さんとの関係が始まった。
 会う頻度はランダムで、大体三橋さんの時間のある日に連絡が来る。連絡がなくても、たまに大学の門の前で待ち伏せしてる時もある。
 会ったら即、いつものホテルに直行だ。
 どうやらこのホテルは、ミホシの系列のホテルらしい。その為、色々融通が利くんだとか。
 どういう融通かってのが気にはなったけど、多分オレみてーな男を部屋に連れ込んでもスルーするとか、シーツが汚れても大丈夫とか、そんな感じなんだろう。
 ルームサービスも数回食ったけど、なかなか美味かった。
 銀の覆いを被せられて、ワゴンに乗せられて運ばれて来たの見て、まるで映画かドラマの世界だなと思った。
 映画もドラマもそう見る方じゃねーけど、そういうんじゃなくて、何つーか現実味がない。
 けどそれを言うなら、オレと三橋さんとの関係だって、現実味がねぇだろう。

 ホテルの部屋に着くと、まずは三橋さんがオレの尻を堪能する。
「ああ、お尻、好き、可愛い……」
 うっとりした声を上げながら、オレの尻を撫でまくり、揉みまくり、頬ずりしまくる三橋さん。
「好き、好き、お尻、好き」
 ぶつぶつ言いながら尻を弄ばれんのはやっぱ怖ぇけど、穴を狙ってる訳じゃなさそうで、そんだけはまあ、安心だ。
 尻の谷間に顔を埋められ、ふごふごくんかくんかされんのにも慣れた。
 最近は、ジーンズや綿パンを脱ぐと色々期待して半勃ちみてーになる時もあるけど、三橋さんに上手にスルーされて、「まずはお尻、だよっ」なんて言われる。
 慣れてんのかな、ってつい思っちまうのはこんな時だ。

「阿部君のお尻、さ、最高、だねっ」
 興奮したように力説されても、あんま嬉しくねぇ。
「こ、こんなお尻、滅多に、ない」
 って。誰と比べてんのかって、モヤッとする。
 別に、尻の形なんかで誰かに勝ったって嬉しくねーし、どうってことねーんだけど、スッキリしねぇ。
 べろんとボクサーをめくられても、もう焦ることもなくなった。
 もにもにと尻たぶを揉まれ、舐められ、甘噛みされて頬ずりされてる内に、オレの方も半勃ちから完勃ちになって来る。
 そしたら、そろそろオレのターンだ。
「三橋さん……もういい?」
 むくっと起き上がり、オレの尻を愛でたがる三橋さんを代わりにベッドに押し倒す。

 この時点ですでに、三橋さんはいつも大概Yシャツ1枚のラフな姿だ。
 オレの尻を撫でまくりながら、どうやって三つ揃えのスーツを脱いでんのか、よく分かんねぇ。この辺もまた、手慣れてるって思う理由のつだけど、もうあんま考えたくねぇ。
「阿部君……」
 覆い被さるオレを見上げ、上気した顔を緩める彼にキスをする。
 甘い吐息。絡まる舌。ヘンタイのくせにゾクッとずるくらい色っぽくて、いつもいつも理性が吹き飛ぶ。
「シャツ脱いで」
 こそっと言うと、ふひっと余裕の顔で笑われる。
「お、オレは、脱がす方が、好き、だ」
 って。確かに好きそうだから反論はねーけど、尻限定だろっつの。反論を封じるべくもっかいキスして、あちこち舌を這わせながら、彼のYシャツのボタンを外す。

 しみもほくろもねぇ白い肌、意外とぴっちりついてる筋肉。色白で華奢なのに軟弱っぽさはあんまなくて、筋肉も骨格もちゃんと男だ。
 キレイな胸板を押し撫で、薄茶色の乳輪を舐め回す。
 乳首を甘噛みすると、「あっ」と小さい声が漏れて、オレをますます夢中にさせる。
 半勃ちになった股間を撫で、スラックスのベルトに手を掛けても、三橋さんは抵抗しねぇ。
 下着を脱がすと、キレイな色のまま勃起したモノがぽろっと現われ、いつもドキドキさせられる。
 色が白いからこんなキレイなピンクなのか、それともあんま使ってねーのか、ホントのとこはよく分かんねぇ。ただ、この人にどす黒いイチモツは不似合な気がした。
 尻もキレイだけど、尻穴もキレイだ。
 白く引き締まった尻に触れると、「どう?」って訊くの、やめて欲しい。隙あらばオレの尻を撫でてくんのもやめて欲しい。

 いい加減、尻から離れろっつの。
 けど、そういうオレの方こそ、今から彼の尻を好き放題するんだから、あんま強く文句は言えなかった。
 用意されたローションを指に取り、キレイな色の穴に指を埋める。
「は……っ」
 彼の余裕が剥ぎ取られる、この瞬間がいつも好きだ。
 主導権を奪い取る。余裕の態度でオレを翻弄する彼を、こっからはオレが翻弄する。
 息を詰め、オレにしがみつく三橋さんは、凄まじく色っぽくて可愛い。中身は男尻好きのヘンタイなのに、股間がビンビンになってくる。
「あんたの尻も、可愛いっスよ」
 指を抜き差しし、中を拡げながら囁くと、上気した白い顔がどんどん赤くなってくる。
 たまんねぇと思った。
 ――好きだ。

 ふっと浮かんだ感情を押さえ込み、白い体を組み伏せる。
 拡げた穴から指を抜くと、三橋さんはまた「ふあっ」と色っぽくうめいて――。
「お尻、来て」
 上ずった声で求められたら、オレの方だって焦らす程の余裕はなかった。

(続く)

[*前へ][次へ#]

9/27ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!