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Season企画小説
モーニングコーヒー・5 (R18)
 阿部君がさっき見せたボトルは、ラブローションだったみたい。立たせたオレの脚をくすぐるように愛撫しながら、阿部君はソレを指に絡めた。
 ローションをまとう指で、ゆっくりと秘所を拓かれる。
 最初はビクッとしちゃったけど、「こら」って阿部君にたしなめられた。
「力抜いて、じっとして。明日投げらんなくなったらイヤだろ?」
「やだ」
 こくりとうなずいて即答すると、分かってるって言うみたいに、ふっと優しく笑われた。
「なら、オレに全部任せろ」
 自信たっぷりにそう言われると、後はもう任せるしかない。言われるまま抵抗をやめ、力を抜いて身を委ねた。

 そうして彼の指を受け入れて、どのくらい経っただろう? 
 くちゅくちゅと淫らな水音を聴かされながらの、甘い苦行。じらされ、喘がされ、好きなように翻弄された。
 2本、3本と増えてく長い指がイイトコをかすめるたびに、開きっぱなしの口から悲鳴が漏れる。
「そろそろか」
 そんな呟きと共に、指をそっと抜かれたときには、体がびくんと跳ね上がった。
「終わ、り……?」
 息も絶え絶えになりながら尋ねると、「まさか」ってははっと笑われた。
「今からが本番だ」
 興奮を抑えた、低く掠れる彼の声。
 残酷な宣言を聞かされて、拓かれた体がひくりと疼く。塗り込められたローションがくちゅっと鳴って、自ら濡れてるような錯覚を覚えた。

 追い詰められた獲物みたい。確かに怖さを感じてるのに、それ以上に魅了されて、貪られるのを大人しく待つ。
 立てたままのヒザを、ぐっと押し開かれた時は息を呑んだ。その奥の拓かれた秘所に、固いモノを押し当てられて息を詰める。
「力抜いて」
 そんなこと言われても、無理だと思った。
 待って欲しい。でも、じらさないで欲しい。もう何も考えられなくして欲しい。
 「挿れるぞ」って宣言に、返事をしようと息を吸った瞬間――指よりももっと巨きくて熱いモノが、濡らされた穴に打ち込まれた。
「ふあっ、あああっ!」
 返事の代わりに高く叫び、身をよじる。
 ローションのぬめりを借りて、ずずっと入り込んでくる太い楔。阿部君が腰を揺らすごとに、少しずつ奥まで侵入する。

「阿部君、あべくんっ、ああっ、んんっ」
 ぎゅっと目を閉じ、無我夢中で両手を伸ばすと、ずしっと彼にのしかかられた。
 ちゅっと軽いキスの後、大きな手で髪をなぶられる。広い背中にしがみつき、目を開けると、阿部君がとてつもなく色っぽい顔で笑ってた。
 ずきゅんと胸を撃ち抜かれ、好きの気持ちでいっぱいになる。
 けど、結局それを口にすることはできなかった。奥まで穿たれたモノが、いきなり動き出したからだ。
 ずずっと引き抜かれ、またずずっと奥に来る。体腔をこすりながら、ゆっくりと始まる抜き差し。開いたままだった自分の口から、ひどく甘い悲鳴が上がる。
「ひあっ、ああっ」
 阿部君の肉根が奥に来る度、がくんとオレの視界がぶれた。ゆっくりゆっくり揺さぶられ、何が何だか分かんない。
 痛いのか、気持ちいいのか、それとも衝撃だけなのか、悲鳴の意味も分かんない。

「あっ、やっ、んんっ」
 揺すられて、口から自然に声が漏れる。
 善がり声にしては、あまりに色気に欠ける声。でもそれは、自分で聞いてもひどく甘くて、止められなくて恥ずかしかった。
 揺さぶりがどんどん早く、強くなる。奥をズンズン穿たれて、阿部君のベッドがキシキシ軋む。
 オレはただ翻弄されて、背中にしがみつくしかできない。ガクガクと揺らされて、「ああっ」とか「んうっ」とか嬌声を上げて、溺れないようにもがくだけ。
 まるで、嵐の中の小舟みたい。
 でも、なんでか頭の中に浮かぶのは、大雨に濡れるグラウンドと、びしょぬれの白い硬球だ。吹き荒れる嵐に、地面の上を転がさせる硬球。阿部君の思うままに扱われ、彼のリズムで啼かされる。

「三橋、可愛い」
 阿部君が言った。
 平らな胸板をぐいぐい揉まれ、両方の乳首をつままれて、ぎゅっと強く押しつぶされる。
「ひや、あああっ」
 胸から股間まで、ビンッと痺れた。
 萎えかけてた陰茎に、なんでか一気に血が戻る。お尻の奥がきゅうんとなって、阿部君の存在感が一気に増した。
「お、大き、いっ」
「くっ、締めんなっ」
 オレの悲鳴に重なるように、阿部君が息を詰める。

 締めるな、なんて言われても締め付けた自覚ない。自分でもコントロールできなくて、巨大な肉根の存在感に喘ぐだけ。
 唇を唇で塞がれ、悲鳴も抗議も泡のように消えた。
「ん、むっ」
 舌を差し込まれ、奥をこねるようにこすられて、快感にもがいて呻く。
 気持ちよくて、どうにかなりそう。
 衝撃も異物感もない訳じゃないけど、それより貪られる快感の方が大きくて、征服されてることが嬉しい。
「あ、あ、ふぁ、あ……」
 甘く熟れた声が、力を失くして唇から洩れる。
 叫ぶ余力も残ってない。
 再び激しくなった揺さぶりに、体全体ががくがく揺れる。感じる1点を強くこすられ、「ああーっ」と叫んで射精すると、阿部君の存在感がまた増した。

「はっ、やべぇっ」
 切羽詰まった声に、ドキンとした直後――色っぽい低い呻きと共に、中が濡らされたのが分かった。
 ぎゅうっと強く抱き竦められ、「愛してる」って告げられる。
 「オレも」って言いたかったけど、口を開くこともできなくて、上ずった声で「んっ」ってうなずくのが精一杯。
 その後、すぐに阿部君が動き出し、そのまま2回戦突入になっちゃったけど、抵抗することはできなくて。また嵐みたいだって思いながら、ちっぽけなボールみたいに転がされた。

(続く)

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