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Season企画小説
恋人としたい事・15 (R18) 
 キスよりもっと、深く繋がり合いたいって思ってた。一緒にいたい。交じり合いたいって、ずっとずっと求めてた。
 そして今、体の奥深くまで阿部さんの肉の一部に貫かれ、全身が歓びで満たされてる。
 ぴったり重なった肌のぬくもり。体内に打ち込まれた肉杭が、強烈な存在感をもってオレと彼とを繋いでる。
「あ……あ……っ」
 言葉にならない声を漏らして、背中に強くしがみつく。
 好き。大好き。頭の中にはそんな感情が吹き荒れて、嬉しくて好きで、たまんなかった。
「あ……あべさん……っ」
 手で、脚で、ぎゅっと彼にしがみつくと、ふふっと笑う気配がした。
「廉、愛してる」
 愛おしそうな声で言われて、またぞくぞくと胸が震えた。

 繋がったまま深く深くキスをして、舌をむさぼり、唾液を飲む。浅いキスの後は、眉間に、額に、耳元に、無数のキスが落とされる。
「痛くねぇか?」
 阿部さんがもっかい訊いた。
 うなずくと、「じゃあ、動くぞ」って。
「ゆっくり、する、から」
 そんな言葉と共に、体内を深く貫いてた肉の杭が、ゆっくりずずっと引き抜かれた。
「ああっ!」
 衝撃に声が上がる。
 動いてる。中をこすられてる。間もなく何も考えらんなくなって、しがみついて叫ぶしかできなくなった。
「あ、ふあ、ああーっ」
 甘く上ずった声。
 これが気持ちいいってことなのかどうか、よく分かんない。ただ、阿部さんが息を詰めるたび、全身が揺すられる。

 1か所しか繋がってないのに、なんでこんな、衝撃が大きいんだろう?
「んあっ、あっ、ん、んんっ」
 悲鳴を抑えることもできない。広い背中に爪を立て、しっかりしがみついてないと、自分が自分でなくなりそう。
 阿部さんに、阿部さん自身の体でこうされてるんだ。それを自覚しただけで、悦びが駆け抜ける。
 キスのその先、「まだ早い」って言われた行為。
 これを知ればオトナかな? 誕生日はついこの間だったのに、今はひどく昔に思えた。間接キスにドキドキして、「おめでとう」の言葉に喜んで……コドモだったなって今なら思う。
 キスの先のオトナの恋は、阿部さんに言われた通り、キラキラきれいなだけじゃなかった。生々しくてエロくて、ぐちゃぐちゃだ。体の奥まで暴かれて、何もかも支配される。蹂躙される。愛される。

「あ、あっ……好き……っ」
 浮かぶままに言葉を継げると、「ああ」ってうなずかれ、キスされた。
 ぎゅうっと抱き締められ、たくましい腕の中に閉じ込められる。ゆっくりゆっくり揺さぶられ、ひっきりなしに嬌声が上がる。
 ぐちぐちと淫らに濡れた音が、繋がったままの場所から響く。
「ふ、う……」
 気持ちいい。
 多分、気持ちいい。体の内側に阿部さんを感じて、彼の思うままに揺さぶられて。肌と肌の重なり、粘膜と粘膜の触れ合い、体温を交える繋がりが、朦朧とするくらい気持ちいい。
 しっかりしがみついてた腕から、じわじわと力が抜けていく。
 それが阿部さんにも分かったんだろう。
「慣れて来たか?」
 耳元で、こそりと訊かれた。

 大きくて温かな手のひらで、頬を優しく撫でられる。髪を、額を撫でた後、ちゅっと軽いキスを貰う。
 慣れたかどうかは分かんない。何て答えればいいのかも分かんない。
 痛くないのは、慣れたってこと?
「わ、かんない……」
 胎内をこすられる感覚と、悦びとしか分かんない。
 ゆるく首を振って答えると、「そうか」ってふふっと笑われた。精悍な笑みにドキンとする。
「じゃあ、そろそろ本気出していいか?」
 低く掠れた声で囁かれ、それにもまたドキンとした。
「あ……っ」
 本気、って? 尋ねる間もなく両脚をしっかり抱えられ、何かが始まる予感に震えた。繋がりの角度が変わり、中をえぐられる角度が変わって、「うあっ」と甘えた声が漏れる。
 ゆっくりだった動きが強く速くなり、衝撃も激しくなった。

 分かってなかった。阿部さんの本気がどんなものか、オレ、何もわかってなかった。
 ゆっくりゆっくりと抜き差しされてた肉根が、次第に動きを速めてく。穿つ力が強くなり、がくがくと揺さぶられた。
「あ、あ、あ、あ、ああっ」
 閉じられない口から悲鳴が漏れる。
 視界がぶれるくらいの衝撃。息もできないくらい激しくて、手足が頼りなくばらばらと跳ねた。
 ベッドの軋む音さえ、もう聞こえない。自分の嬌声しか聞こえない。
「廉、廉……」
 名前を呼ばれて、強く抱かれる。
「好きだ。愛してる。無茶苦茶にしてぇ」
 そんな愛の告白に、返事すらできない。目を開けるのも恥ずかしくて、善がるのに夢中で、何も言葉にならなかった。

 好き、好き。阿部さんが好き。ずっと阿部さんが欲しかった。ぐちゃぐちゃにされたって、愉悦しかない。もっと深く繋がりたい。脳天まで貫かれ、この快感に浸りたい。
 激しく求められ、揺さぶられて、魂が震えるくらい嬉しくてたまんない。
 ポロリと涙がこぼれたけど、決してイヤだからじゃなかった。
 胎内の奥深くが、阿部さんに濡らされる。耳元に短い唸り声を聞いて、全身がぞくぞくと痺れた。
「あ、あああーっ!」
 感極まって、叫び声を上げる。もう何度めか分かんない絶頂。言いようのない快感が、貫かれたままの場所から広がった。
 じわじわと何かがソコからしみ込んでくるみたい。体の奥深くから、全身が阿部さんの色に染められる。

 1度目の射精の後も、阿部さんのソレは大きいままで。再び凶悪に動き出し、オレを滅茶苦茶に翻弄するのは、それからすぐのことだった。

(続く)

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あきゅろす。
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