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Season企画小説
オレと先輩とこれからの話+2 (R15)
 抵抗したかったけど、できなかった。
 だって、恋人の阿部さんのすることだし。
 とんでもなく恥ずかしかったけど、暴れるほどイヤじゃない。
「ふあ、み、見ないで……」
 上ずった声を上げ、ギュッと目を閉じる。
 はしたなく勃起したモノが、ズボンを引き抜かれた瞬間、ぶるんと震えたのが分かった。

「問題はよく見なきゃいけねーだろ」
 ふふっと笑われたけど、それは数学の話、だ。
「ああ、お前、ムケてんだったな」
 阿部さんがそう言って、オレのソコをするんと撫でた。
 見ないでって言ったのに、顔を近付けられて、じろじろと見られてる。
「や、やぁ」
 湯気が出そうなくらい赤面して、顔に血が上り過ぎてどうしようもない。
 両手で顔を隠したけど、今度は怒られなかった。
 代わりに、勃起した竿をそっと触られる。

「ずっとさ、見たかったんだ。お前のこういう姿」
 阿部さんが、熱っぽい声で言った。
 そっと薄目を開けると、端正な顔が真上にあってドキッとした。
 上半身裸の彼が色っぽく微笑んで、ゆっくり顔を近付ける。キス、される。
「オレももう限界だぜ」
 そう言いながら、阿部さんがオレの片手を自分の股間に導いた。
 ジーンズの上からでも分かるふくらみに、ドクンと鼓動が跳ね上がる。
 阿部さんも……オレと一緒だ。勃起してる。

 自由な片手で口元を覆ったまま「ふあっ」と声を上げると、阿部さんが機嫌よく笑った。
「じゃあ練習問題な」
 って。爽やかに言ってるけど、すごく不穏だ。心臓がどくどくうるさい。顔が熱い。
 その予感は的中で、いきなり上下にこすられた。
「ふあっ!」
 ビックリして腰を引くと、「こら」って短く怒られる。
「じっとしてろ」
 って。

 でも怒られたって、そんなのじっとなんてしてられない。あっという間に追い上げられて、叫んでしまう。
「だ、ダメ、もうっ」
 けど、阿部さんは許してくれなくて。
 オレは半泣きのまま射精させられて、阿部さんの温かい手のひらを汚した。
 見せつけるように「美味ぇぞ」って、その手をぺろっと舐められて、カーッと顔が熱くなる。
「き、汚い、からダメ、ですっ」
 思わず起き上ってそう言うと、ぐいっと引き寄せられて抱き締められた。
「汚くねーよ。好きなヤツの精子なんか、甘ぇに決まってんだろ?」

 そんなのウソに決まってるのに、「好きなヤツ」って言われたら、それ以上文句言えない。
「ヤだったか?」
 低い声で囁くように訊かれて、ぷるぷると首を振る。
「ヤ、じゃない、ですけど……」
 でも恥ずかしい。
 オレだけ全裸なのも恥ずかしいし、強く抱き寄せられて、裸の胸同士がくっついてるのも恥ずかしい。
「じゃあ、次の問題に進んでいーか?」
 って。顔を覗き込まれて訊かれるのも恥ずかしい。

 次の問題って……何?
 何となく分かるような、でも違ってて欲しいような、複雑な気分。
 怖いけど、阿部さんだし……。
 阿部さんなら、オレの為にならないようなコト、きっと絶対しないと思う。それだけは信じられた。

 黙ったまま、小さくうなずくとキスされた。
 肉厚の舌を差し込まれ、口の中を舐め回され、舌を絡められる。
 息が苦しくなって「んっ」ってうめいたら、ようやくキスがほどけて、次にまた首筋を舐められた。
 そのままゆっくりと倒され、元通りベッドに寝かされる。
「初めてだけど、ちゃんと予習したし、準備もしたから」
 阿部さんはそう言って、ニヤッとオレを見下ろした。試合中の時みたいな自信たっぷりの笑み、久し振りに見せられて、ドキドキする。
 どうしよう、大好きだ。

 脚を割り裂かれ、大きく広げられて、まじまじ見つめられるのも恥ずかしい。けど、それ以上に……。
「キレイだな」
 思わずって感じで呟かれて、そっちの方が恥ずかしかった。
 もう目も開けていられなくて、ヒザを割られたまま両手で顔を覆う。
「恥ずかしーのか?」
 からかうように言われても、返事できない。
 ふふっと笑われる。
 血が上り過ぎて、カーッとしてくらくらして、何が何だかわからない。気絶しそう。

「阿部さん、好き、ですっ」
 感極まって口に出すと、優しい声で「オレもだぜ」って言われた。
 嬉しくて好きで、胸が熱い。
 けど、次の瞬間――ぬるっとしたモノにお尻の穴を撫でられて、思わず叫んでしまった
「やっ、ああっ!」
 びくっと腰を浮かしたけど、それくらいじゃ抵抗にもならない。太い指先が、つぷっと中に入ってくる。

 そんなトコ汚いのに、って思うけど、奥まで差し込まれた指にぐりぐりと後腔をかき混ぜられて、言葉を出せる余裕もない。
 口から漏れるのは、「やっ」とか「あっ」とかの情けない音だけで。
 オレは顔を覆って寝転んだまま、阿部さんの指に翻弄された。


 息も絶え絶えになるまで喘がされ、ぼうっとベッドに横たわってたら、やがてカチャッと小さな金属音が聞こえた。
 朦朧としながら目を向けると、阿部さんがジーンズを脱いでいる。
 たくましくて筋肉質で、なんてキレイな裸なんだろうって、ついうっとりと眺めてしまう。
 くっきりと割れた腹筋の下、中心に雄々しく勃起したモノは、男らしくて赤黒くて、それにスゴイ大きい。
 自信を持ってて、余裕があって、堂々と立ってオレを見てる。
 なのに……「初めて」ってホント?
 阿部さん、スゴくモテるのに。誰も、どんな可愛い女の子も、こんなとんでもなく格好いい姿、見てない……の?

「三橋」
 阿部さんがオレの名前を呼びながら、ギシッとベッドに戻って来た。
 半分閉じて伸ばしてた脚を、またぐいっと押し裂かれ、大きく左右に開かれる。
 濡れた指でさっきまで拓かれてた穴が、くぱっと微かに弾けて開いた。でも、恥ずかしいなんて思ってられない。
 指なんか比べられない太さのモノが、入り口に押し当てられて。

 ハッと息を呑んだ瞬間――ぐぐっとそれが入って来た。

(続く)

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