小説 1−15
時にはちょっと乱暴に・4 (R18)
両手を縛られたままのご奉仕は、かなり難易度高いって初めて知った。体のバランスもとれないし、阿部君のを掴むこともできない。しかも目隠しされてるせいで、位置とか角度とかビミョーに分かんないし、困惑する。
でも阿部君にとっては、イイみたい。
「いい眺めだな、レン」
楽しそうに言いながら、腰をゆるゆる動かして来た。
「んっ、うっ」
喉奥を軽く突かれ、刺激と苦しさに呻き声を漏らす。
フェラじゃなくてこういうの、何て言うんだっけ? イラマチオ? ぐっと髪の毛を掴まれ、無理矢理っぽくご奉仕させられるのは初めてで、ちょっと怖い。
けど、「苦しい?」とか訊かれるとそうでもないから、「らいじょーぶ」って突っ込まれたままもごもご喋る。
乱暴っぽくしつつもオレを気遣ってくれるの、阿部君はやっぱり優しい。優しい上でほんの少し強引なの、新鮮でぶるっと震える。
「ん、う……」
思わず甘い呻き声を漏らすと、「可愛い」って誉められた。
ずるっと舐めてたモノが引き抜かれ、代わりに柔らかいもので唇をふさがれる。目隠ししたままのキスも、不意打ちっぽくて何か嬉しい。
舌を絡め合い、キスをしながら横倒しにベッドに倒され、性急に体をまさぐられる。
肩から胸、背中から腰、後ろ手に縛られたままだから仰向けにはされなかったけど、そのまま横向きの格好で、お尻をぐいぐい押し撫でられた。
破られたパンツが、頼りなくて変な感じ。
さっき出した分で濡れてるし、そのままでいるのは気持ち悪い。
「ぬ、脱がして」
「シャツ? 脱いでんじゃん」
阿部君がからかうように言いながら、オレの乳首をつんとつまむ。
「ひゃっ」
ビクッとすると、「ノリノリだな」って笑われて、カーッと顔が熱くなる。
「ぱっ、パンツ……っ」
パンツ脱がして、って言いたいけど、「いーじゃん、これで」って脱がしては貰えない。
「すげーこれ、やべぇ。エロい」
そんなことを言いながら、破れたパンツの穴からお尻の谷間に指を這わす阿部君。
そのままつぼみに冷たい何かを塗り付けられて、いきなりの冷たさにびくっとする。
「ひゃっ」
目が見えないの、やっぱちょっと怖いかも。きっといつものローションだろうって思うけど、見えないから確認できない。
ローションがパンツに着いちゃうって思ったけど、破られてるし、もうはけないならいいのかな? いや、よくないけど、もしかしてこのままスル、の?
あわあわしてるオレの横で、阿部君はふふっと笑ってる。
「乱暴なんがいーんだっけ?」
そんな言葉と共に、ぐいっとつぼみの中に突き入れられる指。「ああっ」と声を上げたけど、抵抗なんかしようがない。
いつもよりちょっと乱暴に思える指使い。遠慮なくぶじゅぶじゅと継ぎ足されるローション。
穴を開く指が2本になり、3本になって、横倒しの格好のまま何もできずに準備をされる。
指を抜かれて「ふあっ」と呻くと、腰を掴まれてうつ伏せにされた。
両手はやっぱ縛られたままで、四つ這いにもなれない。
「首、痛くねぇ?」
そんな気遣いを見せつつも、突き出さされたお尻を撫でる阿部君。パンツはやっぱり脱がしてくれるつもりないみたい。
「やべー、これ、レイプ感出るな」
楽し気な声と共にカシャッと人口のシャッター音がして、写真撮られたの分かって恥ずかしい。
レイプ、って言葉も恥ずかしい。
ゆう君が言ってたように、阿部君もそういう願望あるの、かな? オレは、無理矢理のそういうエロ本より、和やかな方がいいんだけど……でも、自分がされるって思うと、心臓がばくばくうるさくなる。
何枚か写真を撮った後、つぼみに固いものが押し付けられた。
「あ……っ」
来る。そんな予感に喘ぐと、予想を裏切らず、固く熱いモノがずずっと中に入って来た。
身動き取れない格好。破られたパンツ。優しいけど強引。中に侵入される自覚。いろんなものが合わさって、訳わかんなくなるくらい意識が弾ける。
「あ、あああああっ」
思わず叫ぶと、「いい声」って呟きと共に、またカシャリと写真を撮る音が聞こえた。
でも、写真について何か言うような余裕はない。
なんで写真? とか、誰にも見せないよね、とか。ふっと不安になったけど、すぐにガツンと奥まで突き上げられて、自分の悲鳴の中に消える。
容赦ない揺さぶり。更にびりびり破られるパンツ。
ベッドに顔を押し付けたまま、腰だけ引き寄せられて強く早く突き込まれる。
「はっ、もたねぇ」
呟いて息を詰め、阿部君が呻き声と共に射精する。
ぐちゅぐちゅ中をかき回された後、一気に引き抜かれて「んんっ」と喘ぐ。勿論それだけじゃ終わらない。今度は反対側に引き倒され、横向けにされて片足を抱え上げられる。
どうされてるのか、どうなってるのか、目隠しのせいでよく分かんない。
さっきの衝撃でアイマスクがずれかけたけど、またキスされて、ずれた目隠しも直された。
大きく開かされた脚の間に、阿部君の体が入り込む。
「これもいーな」
なんて呟きながら、また聞かされるシャッター音。きっと阿部君のが垂れてるだろうつぼみに、指で触れながら「ヤベェくらいエロい」なんて言うの、イジワル、だ。
「や、やだ……」
身じろぎしながら恥じらうと、「いい、の間違いだろ」ってくくっと笑われる。
指の代わりにまた固いモノが押し当てられ、ずずっと遠慮なく貫かれた。
さっき穿たれたばっかの体腔は、溶けたローションで潤んでて、難なく奥まで受け入れる。
すぐに再開される揺さぶり。
「は、あ、あんっ、あ……」
リズムに沿うよう啼かされて、快感にびくびく痙攣する。
「レン……」
阿部君がぐっとオレに覆いかぶさり、ぺろっとオレの口中を舐めた。
「やっぱ、ボールギャグ着けよーか」
「んっ、やっあああっ」
不穏な言葉に一応「いやだ」と告げたけど、強く大きく突き上げられて、明確な言葉を紡げない。
「やっ、待っ、ああんっ」
いやいやと首を振ったけど、伝わったかどうか自信ない。
射精したばっかの阿部君の、2回目はすごく長くて――いっぱい揺さぶられ、啼かされて、快感に頭が朦朧となった。
(続く)
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