小説 1−15
時にはちょっと乱暴に・1 (高3・無理矢理プレイ)
アベミハへの今夜のお題は『噛み付く / 後ろから責める / 乱暴されたい』です。
#shindanmaker
https://shindanmaker.com/464476 より
阿部君とのえっちに、決して不満がある訳じゃない。
優しくしてくれるし、時間をかけて準備してくれるし、オレの方が負担は大きいからって、いつも気遣ってくれる。
「気持ちいーよ」って阿部君は言うし、実際気持ちよさそうではあるけど、ホントはどうなのかなって、いつも思う。オレのために、気を遣ってそう言ってない? ホント?
もっと、こう、オレに気遣ってばっかじゃなくて、ガンガンに攻めたいとかじゃないのかな?
こういうこと言っちゃナンだけど、オレはもっと、激しくても平気。大丈夫。
そりゃ、ゆっくり快感を追うのも悪くないし、大事にされてるって思うと嬉しいし、不満がある訳じゃないんだけど。
「たまには、らっ、ら、乱暴、されたい、かな……」
ぼそりとゆう君に相談すると、ゆう君はキョトンとした顔で、「倦怠期か?」って首を傾げた。
「けっ……」
倦怠期かって言われるとそうかもだけど、なんか、ちょっと違う気もする。
「今から倦怠期になってどーすんだ? 4月から一緒に住むんだろ?」
ゆう君の言葉に、「うん……」とうなずく。
卒業式を目前に控えた3月上旬、大学に入ったら一緒に住もうって約束の元、もう新居となるアパートは契約済み、だ。
家具も阿部君と相談しながら一緒に少しずつ揃えてる。カーテンも買ったし、食器も買った。
表向きは同棲じゃなくてルームシェアだから、親たちも公認だ。っていうか、むしろ親たちの方が準備については張り切ってて、いっぱいアドバイスくれてて、こそばゆい。
4月からは同棲。大学も一緒だし、朝から晩までほぼ一緒。表向き、ベッドは別だけど、一緒に寝るのも多分一緒。こんな状態で倦怠期って、おかしいかも。
でも、倦怠期っていうのとは、やっぱり何か、違う気がする。別に阿部君に不満がある訳じゃない。えっちに飽きたって訳でもない。ただ……。
「ただ、もっとガツガツに求められてぇと?」
「ガ……うん……」
ためらいつつもうなずくと、ゆう君は「そうかー」って腕組みして、何やら考える風に目を閉じた。
それから言ったのが、こんな言葉だ。
「まあ、誰にでもレイプ願望ってのはあるらしーからな」
って。
「レ……ふあっ」
いきなり聞かされたそんな単語に、一気に顔が熱くなる。誰にでもって、ホントかな? 確かにその手のエロ本はいくつもあるけど、オレはどっちかというと、和やかに誘うミニスカナースさんの方がいい。
「そっ、そっ、そういうんじゃ……ないけど……」
真っ赤になりつつごにょごにょ否定したけど、もうゆう君の耳には入らないみたい。
「まあ、そういうプレイもアリだと思うぜ!」
キラーンとイイ笑顔でぐっと親指を立てられたけど、オレの気持ちが伝わってるのか伝わってないのか、ビミョーだなぁってガックリした。
阿部君から「おい」って声を掛けられたのは、そんな話をした翌日のことだ。
「お前、変な相談ゆうにすんなよな」
こそりと告げられて、バレたんだって分かってボボッと顔が熱くなる。阿部君の顔もほんのり赤い。ゆう君、阿部君にバラしたの? ヒドイ。
「ご、め……」
涙目になりつつ謝って、熱くなった顔を両手で覆う。阿部君は「いーけど」と言いつつ、オレの手首をぐっと握った。
「行くぞ」
短く告げられ、握られた手を引かれて、「うえっ?」と問い返す。
行くって、どこへ? もう、例の話終わり?
「ど、ど、どこへ?」
ぐいぐい手を引かれて歩かされ、キョドキョドと周りに視線を向ける。変な相談ってことから、どっかに行くってことに、どう繋がるのか分かんない。
オレも結構、何考えてるか分かんないって言われるけど、阿部君も割とそうだと思う。けど、そんなとこも好きだから関係ない。問題は、どこに行くのかってことだ。
「どこ行く、の?」
オレの問いに、ニヤリと不敵に笑う阿部君。
「この会話の流れで行くっつーと、1つしかねーだろ」
そんな言葉の後に連れて行かれたのは、今までさんざんお世話になったラブホテル。
まさか、ここに来るなんて思ってなかったから、意外でビックリで、ドキドキが止まらない。
今までラブホに来る時は、もうちょっとあれこれやり取りがあった。「今日、いい?」とか、「いつ抱いていい?」とか。
そりゃ、いちいち訊かなくてもいいのになって思ったこともあるし、強引に連れ込んでもいいのになー、とも思ってなくはなかったけど、こうして同意なしに連れて来られたのは初めてで、緊張する。
オレ、どうなっちゃうんだろう?
付き合ってるし、恋人だし、イヤじゃないし、むしろ期待してるし、ゆう君の言うみたいにレ、イプ、には当たらいと思うけど。ドキドキが止まらない。どうしよう。
「途中で『イヤ』っつっても、今日は止めねーから」
ホテルの部屋に入った後、キッパリと約束されて、ドキッとする。
「いいよ」なんて正直に返事するのは恥ずかしくて、黙ったままこくこくうなずくしかない。
立ったままでキスされ、首筋を舐められる。
「ふあ……」
途端に走る、わずかな快感。
期待に股間が熱くなり、阿部君の体に縋り付く。
阿部君はいつものようにオレの服を脱がせながら、軽いキスを繰り返し、首筋をねっとり舐めて――それからガブリと、オレの首元に噛み付いた。
(続く)
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