[携帯モード] [URL送信]

小説 1−13
白鬼の里帰り・3 (R18)
 湯の中で横抱きにしていた王妃を促し、王は自分にまたがらせた。軽く腰を浮かさせて、その秘められた中心に指を触れると、耳元に「ん……」と王妃の甘い声が落ちる。
「いーか?」
 秘所の縁を指でなぞりながら訊くと、甘い吐息と共に頬に軽くキスされた。
「ダメ、って言っても、するつもり、でしょ?」
 こそりと囁かれた言葉に、ふふっと精悍な頬を緩める。
 結婚して2年、王の考えや好みを、この最愛の彼はとうに把握しているらしい。そして、それを許して受け入れてもいるらしい。
 広い浴場は2人だけではなかったけれど、それももう今更だ。
 妃のしなやかな背中に片手を添え、もう片方の手の指を、ゆっくりと彼の中に埋める。王の太くて長い指が体腔の粘膜をこする度、王妃は小さく息を吐き、王の首にしがみついた。

 びくりと細腰が揺れ、ちゃぷりと小さな水音を立てる。
「は……んん」
 中を拡げられる感触に、王妃が艶やかなため息をつく。
 王は既に待ち切れないほどに勃起していたが、王妃も同様に昂ぶっていることは、その股間を見るまでもなく明らかだった。
 色白の王妃の股間はピンク色にそそり勃ち、抱き締める王の腹に当たっている。欲しがられている、と自覚するたび、王の心にたまらない悦びが満ちて行く。
「は、あ……っ」
 王の指の動きに、身じろぎをする王妃。彼が動くたび水音が立ち、2人の周りに水文が広がる。
 やがて王妃が、王の肩に唇を押し付けた。
 声を抑えるためか、それとも所有印をつけるためか? どちらにしろ可愛い仕草には違いなくて、王は嬉しげにふっと笑った。

「挿れるぞ」
 低く囁いて細腰を捕らえ、自分の昂ぶりをつぼみに添わせる。
 指で十分に拡げられた柔肉が、固く熱い王の肉根をずぶずぶと呑み込んでいく。
「んっ、はあ……っ」
 下から剛直に貫かれ、王妃が声を漏らし、王の首にますます強く縋り付いた。
「レン……」
 たまらなくなって妃の名を呼べば、彼の方から顔を寄せられ、ちゅっと軽くキスをされる。
 薄い唇を割って舌を捻じ込めば、口腔が開かれ、甘い唾液に迎えられた。上と下とで繋がったまま、舌を絡め、腰を緩く突き上げる。
「ん、む……っ、んん、あ……」
 王の動きに合わせ、湯がちゃぷちゃぷと揺れ、王妃が甘い声を漏らす。すぐにキスはほどけたが、代わりに王妃の首を舐め、その白い肌に吸い付いた。

 武人として鍛えられた王妃の首も肩も、決して女のように細く頼りなくはない。けれどやはり王よりも小柄で華奢で、その腕にすっぽりと包まれるのに違いはなかった。
 細腰をしっかりと掴み、王妃の体を上下に揺する。同時に下からも突き上げて、最奥を強く穿つ。
 水音が激しく立ち、王妃が「あっ、ふあっ」と小さく啼いた。
「タカ、ヤ」
 妃の唇から自分の名を聞いた途端、王はたまらない気持で立ち上がり、王妃を貫いたまま、彼を湯船の縁に座らせた。
 自分は湯の中に立ったまま、王妃を捕らえてガツガツと突き揺する。
「は、あっ、待っ、て」
 嬌声の合間に甘えた声で願われても、王に待ってやれる余裕はない。「ムリだ」と短く答え、悪びれない顔で王妃を床に押し倒す。
 妃の白い脚が水を跳ねたが、気にしない。
 自分の下で喘ぎ啼く王妃を愛しく見下ろし、腰の動きを強くする。

 湯は一層激しく波立ったが、もうその音は王の耳には入らなかった。
「ああっ、やっ、待っ、んんっ」
 切なげな嬌声だけを満足に聞き、そこに混じる愛情の色を確かめる。
 王妃の脚が自らの広い背中に絡まると、王はますます煽られて、王妃を啼かせる揺さぶりを強めた。


 ベッドの中では1度で終わらせない王も、さすがに浴場の中で2度目に及ぶのはためらった。
「も……無理……」
 白い顔を赤く上気させ、王妃に訴えられたせいもある。
 剣の訓練で疲れた後だったから、余計に負担をかけたようだ。
「水を」
 隅に控える召使に命じ、冷たい水を運ばせて、ぽっかりと空いた王妃の唇に口移しで流し込む。
 王妃は差し出されるままその水を受け入れて、王の唾液と共にこくりこくりと飲み下した。
 しなやかな首にノド仏が動く様子は、何ともなまめかしかったが、ひとまず眺めるだけで満足し、王は更に水を与えた。
 水を飲ませた後、再び湯船に少し浸かり、妃を抱えたまま湯から出る。控えていた召使たちがさっと集まり、2人の体を手早くぬぐった。
 床に下ろした王妃はわずかによろめいていたが、薄い服を着せられる頃にはまっすぐに立ち、「もう……」と艶っぽい息を吐いた。

「そう怒んなよ。仕方ねーだろ」
「仕、方なくない、でしょ」
 とつとつと文句を言われ、その近しさと愛おしさに笑みを漏らす。
「メシの前に、ちょっと飲むか」
 王の言葉を受け、テーブルの上に手早くワインのゴブレットが用意された。それを1つ取り、王妃に渡すと、彼はちゅうちょなく受け取って、中身の酒を一口飲んだ。

 王が例の親書のことを王妃に告げたのは、2人がテーブルについてからのことだ。
 料理をつまみながらワインを飲む妃に、「近々ミホシに行こーぜ」と誘う。
「うえっ!?」
 意外にもイヤそうに眉をひそめ、王妃は「なん、で?」と王に訊いた。応える代わりに親書を渡すと、それを読み進めるごとに、彼の眉間のシワが深くなる。
 レン王妃は、ミホシの王子であり元筆頭将軍。国王の甥であり、ルリ王女の従兄弟でもある。
 元はアベ王の気まぐれにより、戦勝の証として自国に連れて来た虜囚だ。いくら王に愛情があっても、生国に帰省できるのは喜ばしいに違いない。そう思っていたのだが……。
「オレ、イヤ、だ」
 うんざりした顔で首を横に振られ、王は「は?」と端正な目を見開いた。

(続く)

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!