小説 2
1 危篤 (R18)
月明かりが廉の裸身を蒼く照らす。
背中を仰け反らせ、シーツの海に横たわる廉は、とても淫靡でなまめかしい。快感に耐え、眉を下げて目を伏せ、声を漏らす。
「あ……もう、放し、て……」
廉が両手を懸命に伸ばして、オレの髪をかき回す。オレは廉の股間に顔をうずめ、すっかり成長した性器を愛撫する。根元から裏を舐め、深く、浅く口に含む。きつく吸い上げながら、指も使って軽くしごく。
ホントにやめて欲しいなら、髪を引っ掴んで離せばいい。それをしないでかき回すだけなんだから、やめないでって頼んでるようなもんだ。
「あっ」
小さく叫んで、廉の腰がびくんと跳ねた。オレの口に、ポタージュスープにも似た塩みが広がり、喉を鳴らして飲み下す。旨い。何度も出させると、次第に苦味が増してくるけど、今日はまだ一回目だ。
「廉、旨いよ」
耳元で囁くと、廉は恥らって身をよじった。けれどオレに全てを許し、うながされるまま、足を大きく開いてくれる。
成長しても、つぼみはやっぱつぼみのままで、ただ色みが少し増したようだ。
香油を絡めた指で、つぼみをゆっくり開かせる。唇から甘い声が漏れる。期待に満ちた目が、オレを誘う。早くきて、と。オレは期待に応えるよう、固く大きく屹立したものを、つぼみに押し当てる。
ゆっくり腰を落とすと、レンの白い喉がゆっくり仰け反る。奥まで押し広げると、細い身体が打ち震える。
「隆、也、あっ」
揺さぶると、たちまち喋れなくなる口。ただ突き上げるたびに、甘く小さく啼き続ける。オレの背中に腕を回し、夢中で強くしがみつく。身をよじり、首を振り、シーツを蹴る。快感に耐える。
オレに組み敷かれ、貫かれ、無茶苦茶に翻弄されて、廉が喜んでいる。悦んでいる。オレも嬉しい。
「好きだ、廉!」
細い腰を抱えて、打ち付ける。打ち付ける。
片足を抱え上げ、貫きながら横向きにさせる。
ひっくり返して四つ這いにして、揺さぶる。揺さぶる。
ふわふわの髪を振り乱し、廉の頭がシーツに沈む。言葉にならない泣き声が、絶え絶えに細く続く。
ずっとこの声を聞きたかった。ずっとこの姿を見たかった。オレに抱かれて、乱れる廉を。オレにしがみつき、爪を立てる廉を。
「廉! 廉!」
望むのはお前だけ。
世界でただ、お前だけ。
もう、海の夢は見ない。
城に来て三日目、元希の容態が急変したと、知らされた。
オレと廉が駆け付けた時、直姫が泣き叫んでいた。
「死んだら八つ裂きにしてやるから!」
そんな過激なことを言いながら、紫色の唇に口接ける。親父も、まだ紹介もすんでない血縁も、みんな一様に青ざめていた。
もう手段を選べない。オレは廉と顔を見合わせた。廉もうなずいた。それに勇気を貰って親父に言った。
「一か八か、試してみねーか?」
竜の血を、飲ませてみることを。
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