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小説 1−9
欲求不満解消のススメ・後編 (R18) 
 2回目の射精を終えた後、阿部君に後ろから抱えられたまま呆然としてると、首筋にちゅっとキスされた。
「えっ」
 ギョッとするオレをよそに、阿部君はシャンプー類の並んでるコーナーラックに腕を伸ばして、ピンクのボトルを取り出した。
 英語がずらずら書かれてる、用途のよく分かんない阿部君の私物、だ。
 それをどうするのか訊く間もなく、オレを抱きかかえたまま中身を手のひらに取り出す阿部君。ふわっとベリー系の甘いニオイが広がって、直後、その手のひらを胸に這わされた。
「ひゃっ、やっ」
 悲鳴を上げて身をよじろうとしたけど、抱きかかえられてて身動き取れない。ぬるっとしたものを塗りつけられて、そのまま胸をマッサージされる。
 乳首の上をずるっとこすられ、はっと息を詰めると、後ろで満足そうに笑われた。
「感じた?」
 意地悪な質問に、カーッと顔を熱くする。

 けど、文句とか言える状況じゃない。両手を使ってマッサージされ、乳首をきゅうっとひねられる。
「やっ!」
 のけ反っても、「やめっ、てっ」って息を詰まらせながら頼んでも、放して貰えない。
「いーだろ、ローション」
 くくっと笑いながら、ぺろっと首筋を舐め上げられる。
 その内、後ろに固いモノをぐっと押し付けられ、その正体を悟ってドキッとした。
 阿部君……勃起してる!?
 けど、彼の前で射精しておいて、おかしいなんて言えない。どうしたらいいのか分かんない。なんでこんなことされてるのか、それもよく分かんない。
「ここも、ほら」
 そんな言葉と共に、ぬるぬるの阿部君の右手がオレの股間に回される。
 さっき無理矢理出さされた陰茎は、マッサージのせいか復活してて、はしたなくそそり立っていた。

 ローションをまとった手でこすられた途端、いいようのない快感に襲われた。普通にこするのとは全然違う。溶けそうに気持ちよくて、尾てい骨からビリビリと痺れる。
 くちゅっ、ぐちゅっ、と聞こえる音も、いやらしくてたまんなかった。
「や、あ……っ」
 声を上げるけど、抵抗にすらならない。
 やだって思うのに腰が揺れる。片方の腕でオレをギュッと抱き締めて、阿部君が右手の動きを早くする。
 ちゅっと首筋に吸いつかれたけど、そんなの意識できなかった。
 気持ちイイ、気持ちイイ、頭の中が白く濁って、それしか考えられなくなった。自分とは違うリズムでこすられて、翻弄されて溺れる。
「あっ、やああーっ!」
 悲鳴と共に射精して阿部君の手を汚したけど、阿部君は「いっぱい出たな」って笑うだけで、イヤな顔ひとつしなかった。

 3回連続での射精のせいか、ふうっと意識が遠くなる。手足が重く、ダルくなって、なし崩しに後ろにもたれた。後ろにいるのは阿部君、で。
「イキ声、かわいーな、三橋」
 そんなことを耳元で囁かれながら、またローションを足され、胸を揉まれた。胸だけじゃなくて、お腹も脇腹も揉まれた。腰も、お尻も。
 お尻の谷間を指で辿られ、その奥もくりくりと阿部君の指に触れられる。
「だ、めっ」
 さすがにそこは、って慌てたけど、オレが身を起こすより阿部君の指の方が早い。つぷっっと指先を沈められ、違和感に息を詰まらせる。
 あっという間に奥まで挿れられ、恥ずかしくて混乱した。
 じたじたと暴れると、「いーから」って抱き締められて、中をぐいぐい触られる。
 キュッとコックをひねる音。シャワーを頭から浴びせられ、わっと顔を伏せて目を閉じる。

 洗ってやるよ、なんて親切めいたこと言わないで欲しい。指が2本に増やされて、シャワーを当てられ、中を強引に洗われる。
「あ……ふあ……」
 体に力が入らない。
 右手でお尻を暴きながら、左手でオレの陰茎を握る阿部君。ベリーの香りに包まれて、びくびくと腰が浮く。
「ん、あ……っ」
 気持ちイイ。怖い。
 抱き締める腕にしがみつくと、唇が塞がれてキスされた。「やっ」って叫ぼうとした口の中に、肉厚の舌が捻じ込まれる。

 キスが終わる頃にはもう、抵抗する気力はなくなってた。
「大丈夫。オレに任せりゃ、二度と欲求不満なんてさせねーよ、三橋、みはし……」
 阿部君の柔らかな唇が、また首筋に這わされる。
 埋められてた指が抜かれ、びくんと体が無意識に跳ねる。これから何をされるのか、想像できない程ウブじゃない。
 阿部君の猛った肉根がたっぷりローションをまとわされ、拓かれたつぼみに押し当てられる。
 シャワーの雨の下、洗い場の床に四つ這いにさせられて、そこでゆっくり貫かれた。

 多分、最初の射精に踏み込まれた時から、背徳感とか罪悪感みたいなのは、とうに振り切ってたんだろう。
 ガクガクと揺さぶられ、声を上げさせられても、もうそんなショックでもなかった。
「三橋、お前のためだ、お前のため」
 繰り返し聞かされ、抜き差しする中に擦り込まれると、そうなのかなって思えてくる。
「あ、ああっ、オレの、ためっ?」
「そーだよ、お前のためだ、三橋!」
 強い言葉と共に抱き締められ、中にたっぷりと注がれる。その感触にびくびく震えながら、何度目かのキスを受け入れる。

 その後は湯船に入ってからも1回、お風呂からでてからベッドでも1回、翌朝起き抜けにもう1回、阿部君に抱かれた。
 大学行った後、帰ってからも1回、一緒に入ったお風呂でも1回、そしてベッドでもう1回……。
 さすがに5日目からはベッドでだけになったけど、それでも確かに阿部君の言う通り、欲求不満を抱えてる暇もない。
 ナースさんの本は阿部君に没収されたけど、もう惜しいとは思わなかった。
 今では阿部君に触られただけで十分イケる。
 一緒に気持ちよくなるなら、途中で乱入される心配もなくて――なるほど、阿部君の言う通りだなと思った。

   (終)

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あきゅろす。
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