[通常モード] [URL送信]

ひまわり
2



制服のスカートをパタパタと揺らしながら大切な場所に向かう。


『ひま〜ッ!!
今お水あげるからね!!』


ゾウさんじょうろに、水をたっぷり入れて、私より背が低いたった一つのひまわりに水をあげる。


『また少し伸びたかな?』


私の肩ぐらいの高さのひまわりを見て笑う。


こうして毎日水やりしてるけど、別に園芸係でもない。


「おっ!
またひまわりに水やってんのか」

『清水さん!』


水をやり終えると、用具員の清水さん(52歳)が私の横に並んで、ひまわりを見つめる。


「こいつはいいな〜!!
毎日なまえちゃんに水もらえて!!」

『もう日課になりました!』


清水さんにニッコリと笑った。


このひまわりと出会ったのは1ヶ月前。

清水さんが枯れかけてるひまわりを諦めかけて、悲しい横顔を偶々見つけた時。

そのひまわりに何かを惹かれて、私が清水さんに頼み込み、清水さんの代わりに水を毎日上げてみた。


「まさか、枯れかけのひまわりが、こんなに立派になるなんてな」

『私もビックリです!』


本当に元気になってよかった…。






[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!