ブラッディ・マンデイ
3
救急車で運ばれた竜之介さんは手術室に入って行った。
私達は廊下に並んでる椅子に腰をかけた。
藤「…っ」
『あのさ、藤丸…』
悲しみのどん底にいる藤丸に、少しでも悲しみが和らぐように声をかけるつもりだった。
藤「なまえ?」
目の前にいる藤丸の顔がぐにゃぐにゃになっていく。
『藤丸…』
藤「なまえッ!!」
最後に聞こえたのは藤丸の叫び声だった。
目が覚めると、頭がボーっとしながらも視界はハッキリしていた。
藤「気がついたか?」
『…藤丸』
横に椅子に座っている藤丸がいた。
藤丸は私の左手を握り締めていた。
藤「…病気なんだな」
『え?』
藤「先生が、教えてくれた…」
『…そう』
藤丸と目を合わせないように、目を下に伏せた。
藤「どうして黙ってたんだよッ!!
このままにしてたら死ぬんだろッ!?」
黙り込む私に、藤丸は怒鳴った。
『そうだよ…。
私の病気は持って半年、早くて1ヶ月。
何らかの原因で赤目の副作用が脳を圧迫し、小さな腫瘍が脳に出来た。
手術をしても、成功する確率は70%。
仮に成功しても記憶障害を起こす可能性が高い』
そう谷口先生に説明されていた。
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