ブラッディ・マンデイ
2
私達の横を、真子は無表情で通り過ぎた。
悲しいはずなのに涙すら出なかった。
竜「…っ」
『竜之介さん!?』
藤「父さん!?父さんっ!」
ドアの開く音で顔を上げると、加納さんとTHIRD-iの達が室内に乗り込んで来た。
加納さんはゆっくり近づくと、銃口を竜之介さんに向けた。
竜「ブラッディ・マンデイ…」
かすれた声で言うと、胸ポケットから携帯を取り出した。
竜「ブラッディ・マンデイの全てが…っ、この中に!」
携帯を加納さんに向けて手を伸ばした。
立っていた加納さんは携帯を受け取る為膝をついた。
竜「時間がない!全てがここにある!」
手を伸ばすと、竜之介さんは加納さんの手を握り締めて携帯を渡した。
竜「絶対に止めろ…っ!」
悲痛な願いに私は息を飲んだ。
加「了解しました」
携帯を受け取った加納さんは部屋から出て行った。
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