「笑、って?」
その悲しい笑顔を見た時に思った。
―――この顔、どこかで見た事がある。
、と。
遠い遠い昔。あれ?どこでだっけ?
そして不思議な事にこんな事を思ったのは初めてではない。母さんの顔を見ればたまーにだけど懐かしく…、昔、一度会った事があるような、そんな感じ。
「もう、知っているとは思うけど…、アナタは一度死んだの」
「え…?」
な、にを言っている?イヤ、知ってたけど!何で?何で母さんがその事知ってんの!?
その隣で父さんも首を縦に振る。あ、いたんだ。
「実は母さんね、神様のはしくれだったのww」
「父さん!母さんが遅れた中二病に…!」
「ちなみに父さんは魔王のはしくれなww」
「お前もかー!」
何この両親!中二病親なの!?
中三の娘より痛いってどうゆう事!?
「あの時…、まだまだ幼い時だったわ。アナタが私を助けたのは……」
突如、シリアスに語り始めた母さんに私は騒ぐのを止めた。だってシリアス潰したくないし、ね?
「まだはしくれだった私は何度か下界に下りて来てたの。あの日もそうだったわ。下界に下りて、発狂した人間に刃物を向けられて、そして…、」
―――そして、アナタに助けられた。
「…さい。ごめん、なさい。三咲……」
あの時の女の子が、母さん。
ああ、だからか。だから母さんを懐かしく思うんだ。
「罵倒、してもいい。好きなだけ罵ってもいい。許して、なんて言えたものじゃない、けど…」
「母さん」
目に涙を溜めた母さんを見て痛々しく思った。
「母さん、私あの時何て言ったか覚えてる?」
「……「笑、って?」」
「うん。だから母さん。笑って?」
そう言えば母さんは泣き出した。だから何でっ!?
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