オラ東京さ行くだ
高校受験を間近に迎えたある日。
「お母さん、私東京の高校に行きたい」
「東京の?どこ高?」
「んーと、来良…、だったかな?」
ピピピとケイタイを確認する。
あの後、私は引っ越しをしてみーくんともまーくんとも会えなくなった。昔は文通でやり取りしていたが今はデジタルな時代。ケイタイでメールや電話バンバンだ。
そしてこの前、まーくんから誘いが来たのだ。
「高校、来良にしねぇ?」って。
一瞬、「は?」って思ったが「また一緒に遊びたくってさ」の一言でなんかこう心臓、わしずかみされた感じ。
そう言ったら「こえーよww」って来たけど。
「ちょっとリビングで話し合いましょうか」
「へ?」
何を?
そんなに東京の高校ダメだったの?
ウチの父も母も確かに過保護すぎるがそれ以上ってか?
「本当はね、アナタが成人するまでは黙ってようって思ってたんだけど」
そう言って母さんは悲しそうに笑った。
.
無料HPエムペ!