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温度差




「そうだ、ナンパに行こう」
「またまーくんは……」
「二人とも、何でここにいるの?B組でしょ」




何で?って。
それは私も分からないよ。クラスの委員決めが終わったと同時にここに拉致られたんだからさ、まーくんに。






「えー、まだクラス委員が決まってませんが誰かいませんか?」
「ハー…」
「もう!やめてよ!」




バン!とまーくんの手を机に叩きつけるみーくん。
いたそう…。






「あ、女子は決まったみたいだよ」




その女子のクラス委員てーのが、




「杏ちゃん…?」
「三咲ちゃん、知ってるの?」
「あ、うん。友達だよ」





杏ちゃんがクラス委員かぁ。
あ、だったら、




「みーくんもクラス委員になったら?」
「え!?」
「や、だって杏ちゃん困ってるみたいだし……」
「いや、でも、」
「みーくん、据え膳食わぬは男の恥ぞよ」
「それ違う時に言えよ」




‘タイミングが違う!’とまーくんに怒られたが…、なぜに?





「クラス委員かぁ……」
「据え膳食わぬは……」
「あー、もう!分かったから」




よし!
計画通りだ!(何の?)




♂♀





「そう言えば、紀田君と三咲ちゃんは何委員?」
「「風紀」」
「え?ごめん、もう一回」
「だから風紀だってば」
「俺らにピッタリだろ?」




ごめん、二人のそのカッコウ見てどうにも風紀はムリだと思うよ。
紀田君はブレザー着てるわりには中は私服だし、三咲ちゃん何かちゃんと着こなしたのは入学式の日だけ。しかも式が終わればソッコーで私服に変身だったよね?(上半身だけだけど)






「と、言うわけでみーくん。制服マジメに着すぎ。もっと着崩せば?」
「どんな言い訳だよ」

「だから知らねぇって言ってんだろ!」





下駄箱からか、人の怒鳴り声が。
あれは…、園原さんと矢霧君?




「喧嘩…、かな?って、杏ちゃん!?」
「入学そうそう痴話喧嘩とはカッコイイ事してくれるじゃん!」
「あ…」




カッコ…イイのか?
その後、園原さんは走って逃げてった。



「よし!ナンパに行こう!」
「まーくん、それ今日で二回目だよ」



「悪いけど俺、彼女いるんだ」
「(近くにリア充がいるとは…)」




紀田君が必死に説得したけど彼、矢霧君ははっきりと愛を叫んだ。




「彼女は裏切れても、俺は愛は裏切れない!」
「あー…、そうなんだ」




引いた。
今のできっと紀田君は引いただろうな。三咲ちゃんは?





「博愛者……!」




うん。
見なかった事にしよう。




「まぁ、なんだ…。頑張れ!」
「ああ、ありがとう!」
「そして男同士の友情!」




何で今日に限ってテンション高いんだ…?




「帝人」
「うん?」




「お前のクラスにもいるじゃん。
―――温度高い奴」
「……そうみたい」






きっと、高熱だろうね。



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