苛々のち再会
「あー…、なんかホント今日は…」
むしょうにイライラするんだけどー…。そんな日はアレだ。
♂♀
「おりゃ」
ボコッ
「せい!」
メコッ
「だぁ!」
ベココッ!
この声と音を聞いてお分かりだろう。
たった今、私は公園にある自動販売機の目の前にいる。
そこで、ジュースを飲んではその缶を潰している。
「89個…。100まで後少し♪」
こんな事してるのもあの折原さんと言う名の中二病患者さんのせいだ。うん、絶対そう。
♂♀
「……………」
俺は今、妙な光景を目の当たりにしている。
「99……、100ー!!」
そう叫ぶ中学生?の近くにはペシャンコに潰れている缶の山。
な に が お き て い る ん だ ?
俺の目の前で。
「あ、学校」
ケイタイを見てそろそろ時間なのか、学校へ行く少女。
よく見れば来良の制服。高校生、だったのか…。
スッと俺の横を通った時、微かにいい匂いがした。だからなのか、その腕を掴んでしまったのは。
「あ……」
「え?」
‘しまった!’
そう思った時には遅かった。
「えっと……」
ほらほら。
困ってるじゃねぇか。
「ちゃんと缶は…、ごみ箱に捨てましたよ?」
「は?」
「え?違うんですか?」
イヤ、うん。違うけども。
いざ掴んでみれば言い訳なんざ出てこねぇな。
「あー、いや…。ボクシングか何か、やってんのか?」
「は?」
立場逆転。
今度は少女が呆気取られる番だ。
「ボクシングも何も、やってませんよ?」
じゃあどこにそんな力があるんだ?スチールだぞ?
「ただちょっとだけイライラしてて…」
「あー、成る程な…」
まぁ、俺もそう言うのはよくあるけど。
「お兄さんもよくあるんですか?」
「まぁな」
それがきっかけか話しが弾んでいた。
気付けば出勤時間を少しすぎていた。
「ヤベ、時間すぎてらぁ」
「あ、すみません。時間とらせてしまいましたね」
「や、走れば間に合う。お前も大丈夫か?」
「はい。私も走れば間に合いますので」
「そうか。あ…」
そう言えば、話しふけて聞き忘れてたな。
「名前、聞いてもいいか?」
‘今更だがな’と呟けば少女は笑いながら‘そうですね’と言った。
「佐々木三咲です。よろしくお願いします」
「おう。俺は知ってると思うが平和島静雄だ」
「素敵な名前ですね」
なんだ?俺の事、知らねぇのか?
池袋にもまだそんなやつがいるなんてな。
「ま、よろしくな」
「はい」
.
やっとでシズちゃん登場。むずいな。
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