↑イザヤ視点
「僕達三人の初めての出逢いとこの世界との永遠の別離に
―――カンパイ」
♂♀
な、はずなのに…。少ーしだけシリアスで入ったはずなのに、
「あなたーと、わたーしが夢のくーにー♪」
なんで隣の部屋の歌がつつぬけなのかなぁ〜?
しかもこの声って、昼間出会った佐々木三咲、ちゃんだよね?
その後も竜ヶ峰君の「学園天国」、紀田君の「リンダリンダ」が加わったり…。ねぇ、ホント何なの?
「私ちょっとお手洗い行ってくるねー」
「おう!帝人、デュエットだ!」
「えぇー」
!
ちょーとだけ、三咲ちゃんを借りちゃおっかなー。
♂♀
「………………」
うん。まさか拉致成功するなんて思わなかった。本当、上手い具合に動いてくれるよね、皆。
「三人とも死んだ後はどうするのかな?」
「ちょ、え、は?死?」
俺がそう聞けば、可愛いらしい反応をする。(焦ってる?そんなの知らないよ?)
「それって、天国って事?」
「奈倉さんはあの世とかって信じてるんですか?」
「君達はどう?信じてない?」
一人は信じ、一人は信じてない。まぁ、人間なんて十人十色。想いなんてバラバラだけどさー、やっぱダメだよね。これから死んじゃう人間が先の事気にしちゃさ。
「君は?」
今度は答えてない三咲ちゃんに問いてみた。
「あ、あの世…、ですか?」
恐る恐る聞く彼女に「そう」と答える。
「天国と地獄。あると思う?」
「ある……、とは言い切れません。行った事もないので。私は肯定も否定もしません、けど」
「けど?」
「神と悪魔の存在は信じます」
「へぇ」
面白い。面白い面白い面白い面白い面白い面白い面白い面白い。君って本当、面白いね。でもね?
「大外れだよ、君達」
「なにが?」
「これから自殺する人があの世なんて気にしちゃダメだよ」
「……………」
まぁ、約一名、自殺する気ないって目で睨んでるけどね。
「あの……、奈倉さんは死ぬつもりあるんですか?」
「ないけど」
俺はあれだよ?ネットで君達に出会って「死にたい」って言ったからその手助けしてあげただけだしね。
まぁ、五月蝿い君らはさっきの飲み物に入れた薬で楽に寝なよ。
おやすみー♪
「あ、もう紀田君達のとこに戻っていいよー」
「…………」
そう言えば不服そうな、でもま、いっかと諦めたような顔をした。まぁ、巻き込んだの俺だけどさ、謝罪はしないよ?
あ、そうだ、
「最後に一つだけ、君は本当に神の存在を信じてるの?」
「…………」
さっきの言葉は嘘なんじゃないか、とは思わないけど、でもよく言う苦し紛れに出た言葉?あれじゃないかと思うしね。
「信じていますよ、神も悪魔も」
真っ直ぐと真剣な瞳をして彼女は言ってのけた。
「そりゃ…、私は天国にも地獄にも桃源郷にも…、ましてやあの世だなんて行った事はありませんけど、神は見た事ありますから」
「ふぅん、変な子」
じゃあ俺達が出会ったのは神の悪戯、悪魔の遊戯。って事かい?
「それじゃ、さよなら」
彼女はそんじょそこらのただの駒じゃないって事、か。
「ほーんと人、ラブ」
小さな声で言った言葉に彼女も小さな声で答える。
「あなたが‘人、ラブ’なら私は‘神、ラブ’です」
、と。
その消え入りそうな声に少しだけ背中がゾクリとした。
嬉しいのか、怖いのか。きっと半々なんだろうか。
「人、ラァヴ!」
その数分後、隣の部屋から「中二病なんて、大っ嫌いだー!!!!」と聞こえた。
だからここ響くんだってば。
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イザヤ視点で書いてみた。キャホーイ。イザヤンむずいけんについて。
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