二 そして、運命を決める家庭科。 最初のうちは幸せだった。京子ちゃんの手作りのおにぎりを一目見たその時までは・・・・。 「ツナ、誰から貰うか決めたか?」 「そりゃもちろん・・・・」 ‘京子ちゃん’と言おうとして飲み込んだ。 なぜなら昨日あったポイズンクッキングを作るビアンキが京子ちゃんの背後にいたから。 「!」 そしてあろう事か、京子ちゃんのおにぎりとポイズンクッキングを交換した。あれは神業だった・・・・じゃなくて! 「ちょ・・・・、何やってんだ!・・・・あれ?」 俺が前に出た時にはビアンキはいなくなっていた。 そして目の前にはポイズンクッキングを持つ京子ちゃんが・・・・。 「ツナ君、食べる?」 「え・・・・、あ、あの・・・」 どうしよ・・・。 京子ちゃんの手作りは食べたい。 でもこれはポイズンクッキング! 「あ、山本君!食べる?」 「お!うまそうだな!ちょっとイビツな形だけど」 「形はイビツだけど中身は高級だよ!」 山本と奇跡ちゃんの会話が耳に届く。 中身なんだろうなー。確か京子ちゃんのおにぎりは鮭って言ってたなー。 「お!ウナギか!」 美味しそうに食べる山本。 俺はいまだにポイズンクッキングと戦闘中。 「(ど、どうしよ・・・!)」 「ツナ君?どうしたの?」 京子ちゃんが不思議そうに、でもどこか悲しそうに覗き込む。 「京子ちゃんのおにぎり美味しそう!」 「奇跡ちゃんのも美味しそうだよ」 ちょ、奇跡ちゃん!? これポイズンクッキングだよ!?美味しそうに見える!? . [*前へ][次へ#] |