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※現代パラレル神田とアレンが兄弟設定※大丈夫な方は下へどうぞ。







094. 血縁


「おら、起きろアレン!」

ドカドカと足音を響かせ部屋に入って来たのは、僕の二歳下、高校三年生のユウ。

「ねむ…僕二限目からだから、まだ寝る…」

大学生になって良いことは中高のときよりゆっくり寝れること。眠るのが大好きな僕には幸せ以外のなにものでもない。

「うるせー、俺が起きてンだからテメェも起きろ!」

なのにその幸せを壊してくれるこの弟。兄に対してもっと敬え!
理不尽さこの上ない物言いと、バサァっと布団までめくられアレンは、うぅ…とうずくまる。

「ユウは朝から元気だね〜…」
「テメェが寝過ぎなだけだ」

アレンを見下ろしながら不機嫌そうな彼をちょいちょい、と呼ぶ。ユウは疑う事なく膝をおり顔を近づけてきた。

「隙あり!」
「?!!」

ユウの首に抱き着き、ユウをベッドへと引きづり込む。
たまには仕返しだ。

「ばっ…!離せ!」
「い〜や〜」

バタバタともがく彼を抱きしめれば、布団が無くなった寒さを埋めるじんわりした温かさが広がる。

「学校に遅刻するだろ!」
「普段真面目に行ってるんだからたまにはいいじゃない」
「それが受験前の弟に言う事か?」

はぁ〜、と呆れたように(実際呆れて)言われた。

「たまには兄弟のスキンシップも大事にしないとね〜」

伝わる温かさに瞼が落ちて来た。

「いいから、起きろよ」
「ん〜、ユウが目覚めのキスしてくれるなら〜」

『アホかッ!』
ユウならそういってげんこつを与える(兄に対して本当に失礼だと思う)事を予想していたのだけど…。
響くはずの怒声も殴る拳もとんでくることなく、アレ?となる。
いつもなら有無を言わさず剥がされるはずなのだ。

まぁ、ユウが甘んじてこの状況を受け入れてるのも面白いかも…

ふにっ

??!今唇になんか当たった?

パチッと驚きで完全に目が覚める。

今一瞬だけど確かに唇に感触があって…。
目の前には楽しそうに唇を歪ませたユウが真っすぐ僕を見ていた。

「目ェ覚めたか?」
「え?ユウ今の??」

あまりの驚きに目を白黒させているとユウが、ばーか、と小さくデコピンをしてきた。

「痛っ!ちょ、ユウ何するんですか!」
「遅刻するって言ったろ?お前も飯食ってちゃっちゃと仕度しろよ」

緩んだ腕からするり、と逃げて神田は出口へと向かった。

「あぁ、そうだ」

その背中を茫然と見守っていると、ユウが思い出したように振り返る。そして、中指と人差し指を揃えた形で横にして、己の形のよい唇に、そっとあてる振りをした。

「ッッ!?!?」

そのジェスチャーで全て悟った僕はなんだかいたたまれなくなって

「ユウの馬鹿っ!!」

と叫ぶことしか出来なかった。
扉を出ていくときのユウの背中が笑いの為震えていたことが更にいたたまれなくさせる。

「まったく!生意気になってきて、ほんとーにムカつく!!」

ボスッと悔し紛れに投げた枕は、扉に当たって虚しく落ちた。






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あれ?もっとほのぼの、神田がアワアワ、振り回すアレンの予定だったんですが…。
逆だ…orz

指先揃えて唇にあてるってありましたよね…?





あきゅろす。
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