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「ふあぁ〜!楽しかったぁ!」

その後暫く空を堪能させてくれた後森の出口へとアレンを降ろしてくれた。

この人いい人だ、と最初の恐怖はどこへやらその青年への認識を改めた。

「あ、あの!ありがとうございました」

あのまま餓死しちゃうかとほんとに怖かったんですとペコリと頭を下げた。

「気にするな。人を助けるのも仕事のうちだ、子供は特にな」

天使の人助けにも優先順位があるようだ。
じゃあな、と彼がくるりと背を向けた。慌てて彼の服を掴むと不思議そうに見られる。

「また会えますか?」
「いや、俺達は人前に姿をみせることは滅多にしねェからもう会うことはないと思う」

今回はたまたま近くを通り掛かったからだ、と続けて言われればアレンは悲しそうに目を伏せた。

「じゃあ…せめて名前を教えてくれませんか?」
「…  」

振り返りアレンをそっと優しく包み小さな声でその名を教えてくれた。

そして、バサッという音と共に彼は空へと戻ってしまった。

彼が見えなくなるまで見つめた後アレンは地面へと落ちた一つの羽を見つけた。

「これって…」

白く大きなそれは鳥等とは比べようがなく一目で彼のものだと分かる。

そっと拾い上げアレンは小さくキスをしたあと大事に胸に抱いた。

「ありがとう、カンダ…」

そしてその後家の都合で思い出の場所を離れ今の街へと越して来た。
あの羽は今でもアレンの1番の宝物。






あきゅろす。
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